難攻不落――。「今年の小樽は例年以上に仕上がっている」と、選手は口を揃える。「今までで一番難しいかもしれないですね。気の抜けるホールがひとつもありません」とは、菊地絵里香。その難しさを象徴するかのように、二日目はノーボギーでホールアウトした選手はひとりもいなかった。
サロンパスカップで2位、資生堂レディスで優勝を飾った、“4日間競技に強い”青木瀬令奈に注目したい。難しい小樽で、全選手中最多のこの日7バーディ(4ボギー)を奪ったのは圧巻だった。本人も「出入りの激しいゴルフでしたが、ここ(小樽)でこれだけバーディが取れているのは自信になります」と話していた。
400ヤード以上のパー4が5つ……。2日間合計のドライバー平均飛距離215ヤードの青木にとっては当然、苦しいゴルフを強いられる。2打目以降、200ヤード弱のショットが残ることもざらにもかかわらず、7バーディ。飛距離のハンデをまるで感じさせないプレーぶりだったが、以前、2打目のショットについて、青木はこんなことを話していた。
「私は2打目で150ヤード以上残る想定でつねに練習しています。最近は距離が長くなっていますが、正直あまり変わりません。むしろ、150ヤード以上残ったほうがチャンスとさえ考えられる。だから、距離の長さは私にとっては、ハンデではないと思っています。3Wからアイアンまで、すべて同じ精度でグリーンを狙うことができます」(青木)
今日奪ったバーディの2打目(パー3は1打目)の残り距離(パー4、パー3)を振り返ってみると、
1番 残り188ヤード 7Wで8メートル
8番 残り148ヤード 7Uで4メートル
17番 162ヤード 5Uで1メートル(パー3)
18番 180ヤード 9Wで1.5メートル
これだけ見ても、ウッド系のクラブでいかに正確にグリーンをとらえているかがわかる。さらに言うと、グリーンを外してもそれは「攻めた結果」であり、グリーン周りに自信を持てているから、青木本人にとっては、ダメージは少ないという。
「大西コーチにも言われたのですが、資生堂で優勝してから、少したるんでいた。基礎練習が足りていなかったので、その時間を増やしました。気を引き締めて今週は臨めています」(青木)
難しいコースこそ、力を発揮する。週末の青木、要注目だ。
写真/大澤進二