国内女子ツアーにおいて9季連続でシード入りを果たした青木瀬令奈は『週刊ゴルフダイジェスト』の連載でおなじみ、斎藤大介トレーナーの指導を受けている。週刊ゴルフダイジェスト1月7日・1月14日合併号では彼女の強さの秘密を探るため、トレーニング現場に密着。するとアマチュアにも役立つヒントが満載だった!「みんなのゴルフダイジェスト」では2回に分けてお届けする。【全2回中1回目】
画像1: 平均パット数4季連続1位。アプローチ&パットの強さはトレーニング内容に秘訣があった!【青木瀬令奈の強さは分離動作&踏む力①】

解説/プロトレーナー斎藤大介
柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持ち、ヨガの国際資格RYT200も取得。16年より米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20~22年は渋野日向子の専属トレーナーとして活動。現在、国内外の選手をサポートしている。週刊ゴルフダイジェストで「らくらくゴルヨガ」を連載中。

画像2: 平均パット数4季連続1位。アプローチ&パットの強さはトレーニング内容に秘訣があった!【青木瀬令奈の強さは分離動作&踏む力①】

ショートゲームの達人 青木瀬令奈
1993年2月8日生まれ、群馬県出身。前橋商業高校卒。2011年プロテスト合格。2017年ヨネックスレディスで初優勝。ツアー通算5勝。コーチ兼キャディは大西翔太プロ。身長153㎝。リシャール・ミル所属。

2015年賞金ランク 27位
2016年賞金ランク 27位
2017年賞金ランク 32位
2018年賞金ランク 31位
2019年賞金ランク 35位
2020-21年賞金ランク 21位
2022年メルセデスランク 11位
2023年メルセデスランク 12位
2024年メルセデスランク 21位
青木瀬令奈シード権獲得の軌跡

青木瀬令奈のトレーニングに密着

国内女子ツアー終了後も、いつもと変わらないトレーニングをこなす青木瀬令奈。

「2022年から斎藤さんの指導を受けています。丸2年が経ちましたが、安定感が増したのはとても大きいです。2024年は右足のケガ(腓骨神経損傷で3試合欠場)があったにもかかわらず、平均パット数(1ラウンド当たり)は4季連続1位を獲得できました。平均ストローク70台は自己新記録ですし、その他のスタッツでも過去一番の成績が出せています。優勝はできませんでしたが、一個一個の内容を見ると成長しているなという実感があります。私の強みは、アプローチ&パットです。一番自信が持てる部分で結果が残せているのは、トレーニングの効果だと思っています」(青木)

「ある日の90分メニュー」

・長い棒を振る
・ゴムチューブを使う
・エアロバイク
・メディシンボール投げ
・キックでミット打ち
・ラケット打ち
・バット打ち
・鉄アレイ持ち上げ
・ワイヤー引っ張り
・バーベルスクワット

画像: メニューは多いですけど、飽きずに取り組めています(青木)

メニューは多いですけど、飽きずに取り組めています(青木)

では、斎藤大介トレーナーは青木選手をどう見ているのか?

「女子選手のなかでは小柄ですし、フィジカルも決して強いわけではありません。ただ、体をコントロールする能力は非常に高いです。こういう動きをしてと伝えると、すぐにできてしまうタイプです。物事を論理的に考えたり、空間認知能力も高く、男性的な部分がやや強いのかもしれません。クルマの運転も上手いですから。青木選手のショートゲームは、群を抜く上手さです。実はドライバーのようなフルショットより、小さなショットの動きのほうが、トレーニングの効果は出やすいんです。そういう意味で、結果が出ているのかなと思います」

画像: 棒を振ったり重いモノを投げたりラケットで打ったり90分動き続けます(青木)

棒を振ったり重いモノを投げたりラケットで打ったり90分動き続けます(青木)

週イチで行われるトレーニングは90分間。そのメニューを見ると長い棒を振る、鉄アレイを持ってスクワット、エアロバイクをこぐ、メディシンボールを投げる、バットで球打ちなど、多種多様だ。そしてこれらのメニューのなかに「青木選手の強さの秘密が隠されている」と斎藤トレーナーは語る。

斎藤トレーナーのカラダ分析
「フィジカルが強いわけではないですが体の使い方が上手い」

画像: パワーはさほど強くない、コーディネート力が高い、体の使い方が上手い、空間認知能力が高い、瞬発力より持久力

パワーはさほど強くない、コーディネート力が高い、体の使い方が上手い、空間認知能力が高い、瞬発力より持久力

「フィジカルは決して強くないですが、体の使い方が上手く、コーディネート力や再現性が非常に高いです。イメージしたように体を動かせている感じです。青木選手の能力が伸ばせるメニューを日々考えています」(斎藤)

パッティングを支える土台の安定感

2024年28.3824
2023年28.1935
2022年28.1207
2020-21年28.4737
青木の平均パット数4季連続スタッツ1位

青木選手の平均パット数はパーオンホールだけのスタッツではなく、1ラウンド当たりのもの。つまり1シーズンの全ホールの平均パットである。青木のパットの上手さの秘密とは?

画像: 「青木選手のパッティングは、頭がまったく動きません。骨盤を止めたまま、上半身が使えている証しです。ストロークが安定することで、狙ったラインに打ち出せています」(斎藤)

「青木選手のパッティングは、頭がまったく動きません。骨盤を止めたまま、上半身が使えている証しです。ストロークが安定することで、狙ったラインに打ち出せています」(斎藤)

「パッティングは骨盤を止めて上半身を動かします。これは上下の分離動作と呼ばれるもので、青木選手のようにパットが上手い人ほど、分離動作も優れています。この分離動作は下半身を固定させたまま、上半身を動かす(腕を左右に振る)トレーニングで鍛えられます。ラウンド前のウォームアップにも最適ですので、ぜひ試してみてください」(斎藤)

青木が実践する「分離動作」トレーニング

上下の分離動作 ①
ドライバーのスタンスで左右に振る

「長い棒がいいのでドライバーがおすすめです。両手を幅広く持つほど、上半身は回しやすくなります。頭を正面に残したまま(視線を固定)、棒を左右に大きく振ります」(斎藤)

画像: 頭を正面に残したまま行う

頭を正面に残したまま行う

上下の分離動作 ➁
前後スタンスで左右に振る

「前後足になると難度が上がります。右足が前のときは右側に振り、左足が前のときは左側に振ります。骨盤が動きづらい状態で体を回すのがポイントです。頭は正面にキープします」(斎藤)

画像: 骨盤が動きづらい状態で体を回す

骨盤が動きづらい状態で体を回す

アマチュアにも大いに参考になるトレーニングばかり。明日12時半ころ公開の後半では、アプローチ&ショットのトレーニングについてご紹介しよう。

PHOTO/Akira Kato、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa
※週刊ゴルフダイジェスト1月7日・14日合併号より一部抜粋

青木瀬令奈プロをもっと詳しく!

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