ここ1年、キャメロン・デービスはハマっていることがあるという、それはディスクゴルフ。
「ホテルの外に出て、できる趣味を探していました。ゴルフのような、でも仕事している感じがしない少し違った形のゴルフです」と27歳の彼は説明する。
その熱の入れようときたら、PGAツアーの大会が開催されるコースの近くに、ディスクゴルフのコースがないかチェックするアプリを携帯に入れているほどだ。練習しない時、試合がない時は、彼とキャディはしばしディスクゴルフのコースに行き、フリスビーより少し小さめのディスクを投げて楽しんでいるという。
ちなみに、ノースカロライナ州シャーロット近郊にはディスクゴルフをおこなえるコースがおよそ20コースある。しかし、デービスがプレジデンツカップ出場のため、クエイルホロークラブを訪れているいまは、さすがにこの趣味を楽しむ時間はないだろう。
デービスはツアー選手権の直後にクエイルホローで内密におこなわれた視察ラウンド期間中、チームディナーでトレバー・イメルマンのキャプテン推薦の6人のうちのひとりに選ばれるということを聞いた。
「みんなとその瞬間を共有できたのは本当に嬉しかったです。キャプテンは個人的にもチーム入りに値する理由や、いまノリに乗っているなど説明してくれて……。あとは、君のゴルフはコースに合っている、とか。チームで戦うというのは、みんながポジティブなことを言ってくれて、ゴルファーとして自分自身をどう感じるかだけでなく、自分でもできる! というふうにモチベーションが上がる気がします。チームとしてだけでなく、個人的にもプレジデンツカップに向けて心の準備ができるようにキャプテンは士気を高めてくれました」
イメルマンはとくに今シーズントップ10入りを2回、また最後の6試合で16位以上を3回記録したデービスに期待しているという。彼ははイーグル獲得ランキングでは9位、パーブレイクランキングでは27位、バーディランキングは34位に入っており、マッチプレーでもプラス材料、またクエイルホローでは有利になるドライビングディスタンスも26位に入っている。
「彼にはずっと感心していました。ショットが素晴らしい。距離も出ます。以前お話ししたように、今回のコースにはとても合っていると思っています。爆発的なスコアを出す選手で、PGA ツアーのシーズンのデータを見てみるとバーディとイーグルを量産しているのがわかります。シーズン終盤には粘り強さを見せてくれました。最後の10試合中7試合で、チーム入りがかかっている肝心な時、彼は実力を発揮し始めましたね」(イメルマン)
イメルマンは2017年のオーストラリアンオープンで6打差ビハインドからの大会を制したデービスが、2週間前にクエイルホローで海外選抜チームが集まった時、殻を破った姿を嬉しく思ったらしい。
「もともと彼はとても控えめな選手です。でもシャーロットで何日か一緒に過ごした時、チームの雰囲気に馴染んでいました。大会で全力を出せるよう僕たちみんなで彼をバックアップし、彼もいろいろと成長していくと思うので、その姿を見るのが楽しみです」とキャプテンは言う。
デービスはタイラー・ホッジを37ホールの戦いで破って2015年のオーストラリアンアマチュア選手権を制した。彼は18ホールでスコアを作っていくと言うより、1ホールごとの勝負を考えていくマッチプレーのほうが、普段より積極的になれるところが好きなようだ。彼は白熱する試合環境が彼やチームメイトのベストを引き出すと考えている。
「ストロークプレーの大会でずっとベストを出すのはなかなか大変ですが、マッチプレーはショットがダメでそのホールで負けても次のホールがあります。2打差ついたり4打差ついたり、トップから4打離されるわけでもありません。ただその1ホール負けるだけです」とデービスは戦い方の違いを語る。
デービスは海外選抜チームが米国チームに挑戦する立場であることはわかっている。米国チームはプレジデンツカップで11勝1分1敗という戦績に加えて、アメリカ本土では負けなしだからだ。しかし、デービスはどんなことが起ころうとも、大会が繰り広げられる1週間は彼の人生に大きな影響を与えるだろうと語る。
「どの選手も一生忘れないと言いますし、これからの1週間のどの瞬間も心に焼き付けたいと思います。待ちきれないです。きっと楽しい1週間になるでしょう」
いよいよ開幕するプレジデンツカップ、彼がどんな戦いをするのか楽しみだ。