いままでと2番手違う飛び、プロと変わらない番手でグリーンが狙える。「inpres UD+2」がゴルファーのために新しく開いた扉の衝撃は大きかった。
ドライバーとは違って狙うことが使命のアイアンに飛びはいらない、と言われていたものの、やはりアイアンでも「もっと飛ばしたい」「飛距離が欲しい」と思うゴルファーは少なからずいた。その潜在的思いに訴え、多くのゴルファーが手に取り「飛距離重視型アイアン」という新たなカテゴリーを作り上げた。
このカテゴリーのアイアンは「飛ぶ」ことも凄いが、それだけではない。何が凄いのかといえば、「普通の7番と同じ弾道の高さ」で「いまより2番手飛ぶ」ことなのだ。
そのためアイアンといえ、ヘッドの構造は複雑だ。ドライバーなみの複合素材が使われ、ドライバーなみの細かい弾道の研究がおこなわれる。飛距離と同じく弾道の高さも求められるので自然とソールは厚くなってしまう。
「これをどうにかできないものか?」
確かに試打テストなどをすると「何番アイアンからソールの出っ張りが見えてくる」などと指摘するプロも少なくはない。気持ちよく弾道が飛ぶ姿と飛距離を見れば、そんな考えも吹き飛ぶものだが、指摘されるのは悔しい。
もともとそこを無視していたわけではない。たとえば2019年の「inpres UD+2」。バックフェースのソールに近い部分だけ、ミラー仕上げになっているのを知っているだろうか?
練習場のマットでも気づきにくいのだが、コースに出ると効果は一目瞭然。ミラー仕上げの部分に芝が映り込みバック部分のはみ出しが気にならなくなる。このように細かい工夫は続けてきていたのだ。
そこで「inpres DRIVESTAR」に託された使命は「圧倒的な飛距離をより小さい番手で出せる‟格好いい”アイアン」。まずデザインはシンプルで一見、深いキャビティ構造になっているのさえわからないくらいだ。素材感、ロゴのバランスも格好いい。
そして課題とされていたアドレスからの見た目。「いいじゃないか!」これなら、少しやさしいアイアンを使いたいと願うアスリート志向のゴルファーも満足する顔といえるだろう。
でも、あまりにも格好いい顔に見とれて忘れてはいないだろうか? ……このアイアンが凄いのは、この顔をしていてメチャクチャ飛ぶのだ。
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