今シーズンに入る前、王貞治ソフトバンクホークス球団会長の紹介で、元メジャーリーガーで同球団OBの城島健司さんと同球団で活躍する甲斐拓也選手、そしてチームの上田桃子や吉田優利らと、色々な勉強をする機会があったんです。
「ゴルフも野球もボールを飛ばすにはどうすればいいか」というテーマで話しているときに、城島さんの言葉が大きなヒントになりました。
「なんでお母さんは買い物袋をひじにかけるんでしょうか。腕を伸ばして買い物袋を提げると疲れてしまうけど買い物袋をひじにかければ、非力な女性でも重たい荷物も十分持てます。腕立て伏せが数回しかできない女子プロが、力のある一般の男性より飛ばすのもそういうことでしょう。つまり、わきを締めて、ひじが体の近くにある状態こそ、エネルギー効率が高く、一番力を出せるポジションなんです。これはゴルフでも野球でも、飛ばない、強い球が打てない人は“わきが甘い”からにほかなりません」
要約すればそんな内容だったと思います。それからすぐに始めた『買い物袋』のドリルは桃子のスウィングに大きな効果をもたらしました。
買い物袋にボールを5~6個入れて右ひじにかける
ドリルのやり方は、5~6個のボールを入れた買い物袋を右ひじにかけて、右わきを締めながら、構えます。それから、右ひじをバックスウィングの要領で右に動かし、ダウン、インパクト、フォローとシャドースウィングを行うもの。
ボクが桃子の飛球線側に立ち、手のひらで買い物袋の衝撃を受け止めます。まさか、ボール5~6個入れただけの買い物袋が、右ひじを動かして、ただ腰を回すだけで想像を超える大きな衝撃になるとは……。
買い物袋の右ひじコントロールが、エネルギー効率の高いインパクトを生み出すことを、ソフトバンクの皆さんと桃子の練習から教わりました。
このような練習法が満載の、チーム辻村ドリル本・第2弾「女子プロと一緒に上手くなるvol.2~超実戦編24のドリル」(184ページ・1600円/税込み1760円)