澄み切った空気で湿度も低くさわやかな気候で、まだそれほど寒くもない。晩秋から初冬に向かう今の時期は正にゴルフのトップシーズンと言えます。
コースコンディションも素晴らしく、特にグリーンは暑かった時期と比べると格段に速くなり、表面も固くしまって止まりにくくなり、いわゆる「仕上がったグリーン」になります。
今回はそんな高速グリーンへの対処法を考えていきたいと思います。
まずはピンを狙っていく際の攻略法です。固くて速いグリーンを狙う際に気をつけたいのが、「できるだけ上りのラインを残すこと」。乾いて締まったグリーンでの下りのパッティングは想像以上に難易度がアップします。たとえ80cmでもデリケートなタッチが要求され、神経を使います。
また、固く締まったグリーンではスピンがかかりにくいため、エッジからピンまでの距離が短いと寄せにくくなります。出来れば、グリーン全体の形状とピンの位置を合わせて確認し、次のパット、ショットで上りのラインを残すようにしていきたいものです。
例えば、大きく左に傾斜しているグリーンで、ピンは左奥、といった場合、大きく右を狙っていきたいところですが、もし右サイドに止まってしまったら次のパットがとてつもなく速い下りになってしまいます。たとえ少し距離が残ったとしても上りのラインを残すことが、スコアの節約に繋がります。自分も「下りの1mより上りの3m」と考えるようにしています。
もう一つ、ピンが手前に切ってある受けグリーンの場合、
「グリーン手前にショートするのを嫌がらない」ことです。プレーヤーの心理としては、とにかくグリーンにはオンさせておきたいと考えると思いますが、落としどころが限られる手前のピンへのアプローチの場合、どうしてもピンをオーバーし、下りのパットを残す確率が高くなります。
今の時期はグリーン周辺の芝も夏のように元気ではありませんから、転がしやパターで打てる確率も多くなります。「例えグリーン外でも上りを残す」と考える方が有効になる場合が多いと思います。
さてそれではグリーン上でのプレーについて考えてみましょう。
もちろん、できるだけ上りのラインを残すことが鉄則ですが、高速グリーンではどうしても「ジャストタッチ」が求められます。「強めに真っすぐ」は入らなかった時のリスクが大きく、遅いグリーンでなければ通用しづらいと言えます。
カップまで、ぴったりの距離を打つ、ジャストタッチのパッティングの際に私が気をつけているのは、「カップの入口を探すこと」です。
ジャストタッチで打つ場合、どうしても傾斜や芝目の影響を受けやすく、曲がり幅が大きくなります。そうした場合、ボールがカップのどこから沈んでいくのか、これをイメージすることで、タッチを合わせやすくなります。
もう少し言うと、このカップならストレートラインはどこか? を探すことです。
どんなカップ位置でもどこかにストレートに入るラインがあるハズです。そこがそのカップの入口です。その入り口からボールの位置までラインを逆に辿るようにイメージできれば、曲がり幅とタッチの強弱を合わせやすくなります。
例えば極端なスライスラインの場合、カップの左奥に入口があるということもあります。
イメージしにくいという方は、練習グリーンの傾斜のきつい場所でストレートラインを見つけ、そのラインに沿って細い糸を置き、その糸の上をボールが通るようなライン取りで、様々な角度からカップを狙ってみてください。
実際に全てのラインで糸の上を通過していくわけではありませんが、最後のひと転がりで、カップのどこからボールが沈んでいくか、はっきりイメージしやすくなると思います。
もう一つ。高速グリーンで気をつけたいのが、風の影響です。乾燥して速さが増したグリーンでは、思いのほか風の影響を受けます。下りのパットの時にフォローの風が吹いていたら、打ったボールは更に加速されて、どこまででも転がってしまう、なんてことも考えられます。これから風が強くなり、影響を受けることも多くなります高速グリーンでは風向きにも要注意。
さあ、残り少なくなってきたゴルフのベストシーズン。高速グリーンを攻略してグッドプレーを!