男子ツアーの若手台頭は、選手だけではなかった! 週刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウがレポート!

こんにちはケンジロウです。いよいよツアーも終盤戦ですね。カシオワールドオープンも終わり、あとは日本シリーズの1試合を残すのみになりました。

今年の男子ツアーは若い選手の活躍が目立ちましたよね。蟬川泰果(21)、河本力(22)、大西魁斗(24)、桂川有人(24)など、いわゆるZ世代の選手たちがツアーをにぎわせました。今回はそんな若手のお話を……、と言ってもプロゴルファーの話題ではありません。

若手の台頭は、何もプロに限ったことじゃないんです。プロを支えるコーチ陣にも、若い人材が増えつつあるんです。河本力が東海クラシックで今季2勝目を果たしましたが、その優勝の陰に、あるパターコーチの存在がありました。その名は丸山颯太。彼は河本力と同級生で弱冠22歳。その若さでプロコーチという職に就いているのは、ちょっと新鮮ですよね。

画像: パット専門コーチの丸山颯太。河本力と同級生の22歳だ

パット専門コーチの丸山颯太。河本力と同級生の22歳だ

河本力は丸山というパターコーチの存在を聞きつけ、9月末に行われていた東海クラシックの週の月曜日に初めてしっかりとパットを見てもらったと言います。その後も、定期的に二人のやり取りは行われ、ZOZOチャンピオンシップやVISA太平洋でも丸山はコーチは河本に帯同し、パッティングコーチとして河本をサポートしました。

2人はいったいどんなやり取りをしているのか?

「東海クラシックの週の月曜日に河本選手ににスタジオに来てもらって、彼のデータをとって、本人にもそのストロークの傾向を見せました。河本選手の一番のエラーはインパクトでフェースが開く癖があること。その原因はアドレスやバックスウィングにあって、そもそもフェースを閉じてテークバックしやすかったので、それをスクエアに戻しながら当てるケースが多かった。そうなるとフェースの開閉の加減によって毎回バラバラに当たってしまうので、フェース向きの再現性が低かったんです」(丸山)

なるほど。では、具体的にどう改善したのか。

「アドレスの修正が大きかったですね。手元が下がりやすかったので、アドレス時の手元の位置を上げたのがひとつ。手元が低いとどうしてもフェースを閉じる方向にいってしまいやすいんです。また、河本選手はかかと側に重心がかかりやすくて、お尻が引けて、前傾が深くなり、手元が下がりやすい状況を自ら作っていました。ですから足の前側に棒などを置いて、それを踏んで打つ練習もしてもらいました。ストローク中、ずっと前側に重心がかかっているイメージです。

さらに、パター自体にも調整を加えました。東海クラシックの前まで37インチのパターを通常のライ角で使っていました。普通、長いパターはライ角を立てたほうがやさしいのですが、あえて難しくして打ってしまっていたんです。さらに長いぶん重さも出ていたので、重さを支えるぶん、閉じて上げやすくなっていました。試合の始まる前に、1インチ短くして36インチにカットしてもらって、それでやりたいストロークに近づけていけたと思います。

でも、いずれにしても河本選手の、やっぱり反応が早いというか、こちらが言ったことをすぐに改善してそれを結果にできるのが凄いなと思いましたね。東海クラシックの週は、その月曜日から日に日にパッティングが良くなっていきましたから」

実際、丸山コーチが河本とセッションをしたその週に、河本がツアー2勝目を挙げたのは、皆さんの記憶にも新しいでしょう。丸山コーチとのやり取りが、河本の優勝を後押ししたのは間違いありません。

以前、タイガーがジャスティン・トーマスについていたマット・キレンという若いパターコーチからアドバイスをもらっていたシーンを見ましたが、コーチがしっかりとした技術をもってコーチングをし、選手の能力を引き出せられれば、相手の年齢は関係ないということですよね。いい選手ほど、そのコーチの質を敏感に感じ取れるのかもしれません。

画像: 足の前側の棒を踏むようにして構える河本力。ストローク中、ずっと前側に重心がかかっているイメージが出るという

足の前側の棒を踏むようにして構える河本力。ストローク中、ずっと前側に重心がかかっているイメージが出るという

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