今シーズン、資生堂レディスでプレーオフの末、レギュラーツアー初優勝を飾った櫻井心那。その半年前、2022年のステップ・アップ・ツアーで5勝を挙げ、賞金女王に輝いた櫻井心那のもとへ行き、本人が「一番の武器」という飛ばしの秘訣や飛距離を伸ばすための練習法を取材した時の記事。改めて読み返しても、飛ばしに直結するヒントが満載です。(以下、2022年12月取材時の記事です)

GD(ゴルフダイジェスト誌) プロ1年目の今年、『ステップ・アップ・ツアー』で圧倒的な強さで賞金女王に輝き、おめでとうございます。

櫻井 ありがとうございます。でも、レギュラーツアーでは活躍していないですから……。

GD 昨年まで高校生、それも在学中にプロテスト合格だけでもすごいと思いますが、この活躍は想像できていましたか。

画像: さくらい・ここな 2004年2月生まれ。166センチ。長崎日大高等学校3年時の2021年、プロテスト合格。昨年ステップ・アップ・ツアー新記録の5勝、賞金女王に。今季レギュラーツアーの資生堂レディスで初優勝

さくらい・ここな 2004年2月生まれ。166センチ。長崎日大高等学校3年時の2021年、プロテスト合格。昨年ステップ・アップ・ツアー新記録の5勝、賞金女王に。今季レギュラーツアーの資生堂レディスで初優勝

櫻井 想像というよりQTを失敗して、今年はとにかくステップ・アップ・ツアーでやり切るしかないという気持ちで戦っていました。でも、プロ同期で同学年の川﨑春花ちゃんや尾関美彩悠ちゃんたちは、もうレギュラーツアーで優勝していますし、私はまだまだです。

GD ご自身のゴルフについてですが、一番の武器はなんだと思いますか。

櫻井 やっぱり飛距離ですね、ドライバーの。気持ちよく振り切れているときはいいですが、調子が悪くなるとヘッドの走りが悪くなるので、これは修正していかないといけないポイントですね。

GD ヘッドを走らせるために、やっていることはありますか。

櫻井 いろいろありますよ。アドレスを工夫したり、ショット前ルーティンやアイアンでの練習など試行錯誤しながら取り組んでいますよ。

画像: "ここな"のドライバーショット。ボール位置は左足かかと線上にセットし、ヘッド位置は体の中心までボールを離してセットアップする。こうすることで、フォローの振り抜きがよくなり、飛距離が伸びるという

"ここな"のドライバーショット。ボール位置は左足かかと線上にセットし、ヘッド位置は体の中心までボールを離してセットアップする。こうすることで、フォローの振り抜きがよくなり、飛距離が伸びるという

GD ヘッドを走らせるために、アドレスを工夫されているとのことですが、具体的には?

櫻井 ドライバーだけですけど、ヘッドをボールから離して構えています。インパクトで上体の突っ込みがなくなるのでヘッドを加速させやすいんです。

GD どれくらい離すんですか。

櫻井 体の中心くらいまでです。ヘッド軌道の最下点が体の中心なので。ドライバーはティーアップしているから、ヘッドを上昇させてインパクトするイメージを持ったほうが振り抜きがよくなります。あと、ほんの少しフェースを閉じてインパクトするイメージも湧くので、ボールをつかまえられるのも飛距離が出せる要因だと思います。

画像: ドライバーショットを打つ前に、片足上げの”マン振り素振り”をルーティンに取り入れている"ここな"

ドライバーショットを打つ前に、片足上げの”マン振り素振り”をルーティンに取り入れている"ここな"

GD ヘッドを走らせるために、ショット前のルーティンも工夫されているとのことですが。

櫻井 これもドライバーショットを打つ前にやっていることなのですが、片足を上げながら左右に思い切り体重を乗せて、トップからフィニッシュまで風を切り裂く音が鳴るくらい、思い切り振り抜いてから打つようにしています。

GD 素振りでそんなに思い切り振るんですか。

櫻井 振り切ったほうがヘッドに遠心力が働いて、飛距離はもちろんですが、小手先でヘッドを操作しないので方向性もよくなります。

GD だからフォローが大きいんですね。

櫻井 フォローでヘッドが勝手に体に巻きつく動きになりますし、インパクトで手元が浮きにくくもなるので強くボールを押し込みやすいです。

画像: 飛距離を出すための練習法は7番アイアンで行う低弾道パンチショット。インパクトでボールを強く押し込む感覚が身に付いて、ショットがよくなるという

飛距離を出すための練習法は7番アイアンで行う低弾道パンチショット。インパクトでボールを強く押し込む感覚が身に付いて、ショットがよくなるという

GD 飛距離を伸ばすためにやっている練習があるそうですね。

櫻井 7番アイアンで低く強い弾道で飛ばすパンチショットの練習を取り入れています。これをやっていると、インパクトでボールを強く押し込む感覚が身に付いてきます。でも、インパクトで上体が突っ込んでしまい、逆にヘッドが走らなくなる危険性もあるので、小手先で振るのではなく、体の回転で振るように注意しています。

23年は飛距離を武器にレギュラーツアーで勝てるようがんばります!

さくらい・ここな 2004年2月13日生まれの18歳。166センチ、O型。長崎県出身。長崎日大高等学校3年時の21年、プロテストに合格。同期で同学年のプロには川崎春花や尾関彩美悠などがいる。QTに失敗し今季は下部ツアーのステップ・アップ・ツアーを主戦場として戦い、新記録となる年間5勝を挙げた。ステップ・アップ・ツアーの賞金女王となり、来季のレギュラーツアーの前半戦出場権を獲得

※週刊ゴルフダイジェスト2022年12月20日号「謎の18歳 櫻井心那」より一部抜粋

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