ジャパネットの事業方針には「見つけて、磨いて、伝える」というものがあります。通販でいえば、世の中に埋もれた良い商品を「見つけて」、ジャパネットならではの視点でより良い商品として「磨く」。これはたとえば下取りなどのサービスを付加すること。それをお客様に「伝える」、ということを、ずっとやって来た会社です。この考えは通販に限らず、他のビジネスにもつながっています。
2024年秋の開業に向け、長崎駅前では「長崎スタジアムシティプロジェクト」というスタジアムを中心とした複合施設の開発が進んでいます。ジャパネットグループが民設民営の事業として行っていますが、これも長崎にある様々な魅力を私たちが「磨いて」、全国に「伝えて」いきたいという想いから始まっています。
放送局を持つことも同じ理念からきており、世の中にはまだまだ知られていないことがたくさんあり、それを私たちが自前の放送局を持つことで、世の中に埋もれているいいものを見つけ、磨いて、伝えたいと、今年の3月27日にBS放送局「BSジャパネクスト」を開局しました。
現在放送している旅番組では、現地に行って、そこに眠っている良い商品やグルメを探し、視聴者に伝え、そのまま欲しいと思ったらアプリで買えるような仕組みになっています。見つけて、磨いて、伝えることで地域創生につなげたいと取り組んでいます。
ご存じかもしれませんが、ジャパネットグループでは「V・ファーレン長崎」というJリーグのJ2プロサッカークラブと、「長崎ヴェルカ」というBリーグのB2のプロバスケットボールクラブを運営しています。やはり地域に密着したサポーターの応援するパワー、ファンの熱狂感には、すごいものがあります。しかし、バスケはプロスポーツの中ではあまりテレビで放映されていません。本当にいいスポーツなのに見ることができないのはもったいない。こういった点でも自分たちが放送局を持つことで、より多くの人たちに伝えることができると考えています。ただ、今はまだまだジャパネットが放送局を持っていると知ってもらえていない。そこが課題です。
昔からジャパネットの通販でゴルフのフルセットなどを取り扱ってきました。通販でもゴルフの人気は根強く、お客様には60~70代のアクティブなゴルファーが多く、そういう方に趣味や生きがいとしてゴルフの商品をお届けするという関わりがあったんです。
BSジャパネクストを開局してからは、今年6月の国内女子ツアー、アース・モンダミンカップと、7月の楽天スーパーレディースの中継をさせていただきました。録画中継でしたが、ただ試合を中継するだけでなく、アース・モンダミンカップの際はゴルフ好きのタレントさんにMCをお任せし、ゴルフ好きならではのコメントをいただいたり、服部道子さんがスタジオにいらして解説くださったり、優勝した木村彩子プロにはテレビ中継でご出演いただきました。こういった経験からゴルフのコンテンツにもっと力を入れられないかと考えていたのです。
そんななかNHKが長年続けてきたPGAツアーの放映から撤退するという話を聞き、ご縁あってPGAツアーから、お話を頂いたんです。そこで、私たちだったら中継だけでなく、独自コンテンツなどを加えたいろんな編成をしたいという想いを伝えたら、ご賛同いただいて契約にいたりました。
来年1月の初戦、ハワイ・マウイ島のセントリートーナメント・オブ・チャンピオンズからライブで放送させて頂きます。ただし、4日間の完全生中継ではなく、NHKと同じスタイルで3日目と最終日の2日間、つまり基本的には日本時間の日曜、月曜の早朝に生放送です。ですので1月8日(日)からの開始となります。
さらに、その独自コンテンツとして特別番組を考えています。サッカーのW杯も盛り上がっていますが、試合終了後、すぐにハイライトを放送していますよね。やはりスポーツは点を取る瞬間、ゴールを決める瞬間など、一瞬のプレーが熱い。それはゴルフも一緒。その試合で盛り上がったハイライトを、少しでも早くゴルファーに届けることが大切です。そこで試合が日本時間の月曜朝に終わったら、その日の夜9時にハイライト番組を編成しようと考えています。仕事をしている人だと月曜の早朝に中継を見られない人も多いと思いますが、そういう人でも仕事が終わった夜にハイライト番組を見られるようにしたいのです。
またジャパネットが通信販売事業に並ぶ、2つ目の事業の柱として掲げているスポーツ・地域創生事業にもにもつながりますが、ただハイライトを放送するだけでなく、試合会場となるコースの歴史や、コース周辺の観光スポットやグルメなど地域情報も織り交ぜながら、世界最高峰のプレーだけでなく、その土地の魅力も伝えようと思っています。番組を見ただけで、実際に現地で観戦してきたかのような疑似体験、旅感覚をお届けできればと思っています。
ただ、まだまだ局の認知度が低いので、実際に中継がスタートしても、「どこでやってるんだろう」と思われるかもしれません。やっと先月から読売、毎日、産経、朝日、中日、日経の各新聞に番組表が載るようになりましたが、BSジャパネクストのチャンネルは「BS263チャンネル」です。一番簡単な方法は、テレビのリモコンの「BS」ボタンを押したら、「チャンネルボタン」を2回下に押すだけ(※チャンネル順は各家庭の契約により異なる場合もあります)。これだけで見られます。
また公式アプリ「つながるジャパネット」では、すでに看板番組「パネルクイズ アタック25 Next」をはじめ、ほぼすべての番組がスマホで見られるようになっています。もちろん1月からのPGAツアーの中継も、見逃し配信こそできませんがライブでの同時視聴ができます。これなら早朝の通勤時の電車でもスマホ等で試合が見られます。もちろんこちらも無料です。
さらに今年8月にはグループ会社である株式会社ジャパネットホールディングスと航空会社スターフライヤーが資本業務提携をいたしました。スターフライヤーは機内全席にモニターが付いており、そこでBSジャパネクストの番組を配信する予定です(2023年3月開始予定)。ビジネスパーソンでゴルフをされる方は大変多いと聞いておりますので、PGAツアーのハイライト番組も機内で見られるようにしようと考えています。
「見つけて、磨いて、伝える」。これに戻りますが、中継の内容にもこだわっていきたいと思っています。開局1年にも満たない私たちが、PGAツアーというキラーコンテンツを生かして局としての存在感を出していきたいということもありますが、まずはゴルフを楽しみにしているお客様に、30年続いてきた中継を楽しみにしていたゴルフファンに来年からPGAツアーをお届けできればと思います。
※週刊ゴルフダイジェスト2022年12月27日号「来年1月8日からBS放送でPGAツアーが無料で見られます」より