2023年の始まりに、改めて2022年シーズンを振り返って、ゴルフ界をもっとも沸かせたのは誰かを考えた。プロゴルファーや識者、そして一般のアマチュアゴルファーに聞いてみたところ、選手以外にも"意外"な名前が挙げられた。

●日本男子ツアーは蟬川泰果で決まり!

95年ぶりにアマチュアが日本オープンに勝利するという快挙。第1回の赤星六郎以来ですよ。それも世界アマランキング1位、日本ツアーで2勝という記録尽くし。女子でのMVPは山下美夢有と西郷真央にあげたいですね。どうしても後半に活躍した山下にばかり目がいきがちですが、前半、10試合で5勝、勝率5割の西郷は22年の女子ツアーはすごいぞと予感させた功労者です。さらに、米女子ツアーに参戦した古江彩佳、畑岡奈紗、渋野日向子に敢闘賞を。米男子ツアーは該当者なしでお願いします。スコッティ・シェフラーがマスターズ優勝するなど前半を盛り上げましたが、年間王者にはなれなかったですし。LIVゴルフにはPGAツアーの足りない部分を補ったという意味で敢闘賞を。やはり競争していくことで相乗効果が生み出されるということだと思いますよ。(佐渡充高、解説者)

●アマチュアで日本オープンに勝った蟬川泰果選手を推したい

95年前のチャンピオン、赤星六郎氏といえば日本のゴルフ界の草創期を支えた偉人。その歴史を再現したのですから。2023年、蟬川選手のプロ初勝利を早く見たいです。(50代男性、千葉県)

画像: やっぱり、95年ぶりに日本オープンでアマチュア優勝した蝉川泰果か、史上最年少女王に輝いた山下美夢有か?

やっぱり、95年ぶりに日本オープンでアマチュア優勝した蝉川泰果か、史上最年少女王に輝いた山下美夢有か?

●女子ツアーのヒロイン、川﨑春花

女子ツアー、特に後半戦の週替わりヒロイン誕生は見ていてワクワクしました。初優勝組では日本女子プロで勝った川﨑春花。うちの娘くらいの歳ということもあって、もはや親のような気分に。おっとりして見えて実は気が強そうな感じで、初勝利がメジャー。個人的にはキレキレアイアンも見習いたい!(40代女性、東京都)

●今年のMVPはなんと言っても古江彩佳

体格がないから……、飛ばないから……などといって、米ツアーでは通用しないのではという予想もあったなか、私は「いや1勝はするよ」と予言していました。ドライバーは飛ばないけど、アプローチ、パットの巧みさでスコアは作っていけることを証明した。そのうえ、古江の武器はショートウッドですよ。これは米国のコースでプレーした経験がある人しかわからないかもしれませんが、米国のコースは平坦なライが多いんです。そこでは、これは宮里藍もそうでしたが、ショートウッドが効果を発揮するんです。古江のショートウッドを打つ技量は他の飛ばし屋プロのロングアイアンをはるかに凌駕しています。米ツアーを1年経験して、そのコースの”性格”が理解できたと思います。ライの変化の激しいコースを捨てて、これはいける! という感触はつかめたはず。なので、2023年は2、3勝すると私は予想しておきます。また2024年の年始、この場でお会いしましょう。(タケ小山、プロゴルファー・解説者)

●キンクミこと金田久美子

金田久美子が三菱電機で勝った後のインタビュー、インスタにアップされた本人の言葉を読んでいたら泣いてしまいました。「努力は必ず報われるとは限りません。ただ、報われるまで努力する」って……。今、読み返しても泣けてくる。キンクミちゃん、2023年も応援します。頑張れ、ギャルファー!(30代女性、神奈川県)

●男子ツアーでの河本力を挙げます

河本力は320Yという飛距離、ルーキーイヤーで2勝という結果は、ただの飛ばし屋というだけではないということを証明しています。世界の平均飛距離に追いつき、しかも勝利したということで、世界水準に少しは追いついたかなと感じます。ジャンボ尾崎さんの出現を彷彿とさせるくらいの雰囲気がありました。男子プロツアーがガラリと変わる予感に、僕自身、ちょっとワクワクしていますね。23年の男子ツアーが楽しみです。(水巻善典、プロゴルファー)

画像: ナショナルチームで、男子は、蝉川、金谷拓実、中島啓太、女子は畑岡奈紗、古江彩佳、西村優菜などを育てた ガレス・ジョーンズを評価する声も挙がった

ナショナルチームで、男子は、蝉川、金谷拓実、中島啓太、女子は畑岡奈紗、古江彩佳、西村優菜などを育てた

ガレス・ジョーンズを評価する声も挙がった

●やはり蟬川泰果ですね

95年ぶりの日本オープンアマチュアVといっても、それ以前はアマが主流の大会だったので、蟬川が事実上”史上初”と言っていいでしょう。あと、陰のMVPとして、その蟬川を育てたJGAナショナルチームのコーチ、ガレス・ジョーンズを挙げます。2015年に豪州からやってきたガレスは男女ナショナルチームの選手たちを育てあげました。最近では世界アマ1位の3名、金谷拓実、中島啓太、そして蟬川。女子では畑岡奈紗、古江彩佳、西村優菜など、そうそうたる面々です。(三田村昌鳳、JGA公式ライター)

●父親の指導のもと頑張っている山下美夢有選手

プロになり活躍している山下美夢有選手を、年下ながら尊敬しています。両親に借金をしてまでトラックマンを購入して技術をアップし、史上最年少年間賞金女王と年間女王を獲得しているところが素晴らしいと思います。山下選手がMVPです。(20代女性、東京都)

●LIVゴルフのCEO、グレッグ・ノーマンが今年のMVPでは?

理由は、まず、世界各地のツアーの30代後半から40代の選手を"救った"ことです。PGAツアーも日本もそうですが、若い選手の台頭で、30~40代のプロが稼げなくなり困っているといいます。これまでツアーにはさんざん貢献してきたというのに……。もうひとつ、PGAツアーとは正反対の、一般ゴルファーでも"楽しめる"ゴルフを提唱したことも意義があると思います。LIVゴルフを実際に現地で取材し、驚いたのは「お静かに」ではなく、音楽などをガンガンかけていたこと。長くゴルフに関わってきた私も、今まで見てきたことのない光景でした。選手たちは半ズボンで、ギャラリーは写真を撮り放題。選手たちのほうから寄ってきて記念撮影に応じるんですから。ゴルフのエンターテインメント化と言えますよね。PGAツアーだけのゴルフばかりでなく、リラクゼーション、健康のためのゴルフ……。こんなゴルフのあり方が日本のゴルフ界をも救うんじゃないでしょうか。(ハル常住、ゴルフマルチプロデューサー)

※週刊ゴルフダイジェスト2023年1月10・17日合併号「山を動かす~2022年ゴルフ界 MVPは誰ですか?」より

This article is a sponsored article by
''.