LIVゴルフ中継はCWネットワーク
昨年はすべての大会がYouTubeでの放映のみだったLIVゴルフだったが、FOXを含めたアメリカの4大ネットワークとの放映権交渉が不調に終わり、その下位に位置するCWネットワークとの放映権料なしでの契約となった。アメリカのゴルフウィークやUSAトゥデイはこのニュースを「(LIVにとって)自暴自棄的な契約」と伝えている。
また、アメリカのスポーツイラストレイテッド誌によれば、両者の契約は少なくとも3年間あり、向こう2年間は放映権料が発生せずに広告収入を折半するという内容(3年目以降は放映権料が発生する)。しかし、LIVには試合ごとのスポンサーがないため、CWネットワークのテレビCMだけではテレビ中継の製作費にもならない。LIVによれば、CWネットワークには1億2000万世帯の視聴者がいるというが、同社がコントロールできる放映局は3分の1程度しかなく、残りの3分の2については試合が放映されるか定かではない。
ゴルフウィークによれば、金曜日の中継はアプリのストリーミングで、土日は地上波で放映されるということだが、実際どれくらいの視聴者がいるのか疑問視している。放映権料が発生しないのはマスターズも同じだが、こちらはマスターズ委員会が放映局から放送枠を購入し、マスターズ委員会が選んだスポンサーからCM料金を徴収している。LIVの場合は、ある意味、放映を「してもらっている」ほうかもしれない。
では、日本でテレビ中継を見られるか? 金曜日はCWネットワークのアプリによるストリーミング放映、土日はCWネットワークのテレビ放映となるため、去年同様LIVが配信するYouTubeでの視聴になりそうだ。フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカ、セルヒオ・ガルシアらのビッグネームにつづき、若手実力者のキャメロン・スミス、ホアキン・ニーマンなどが加入し、フィールドは厚くなっているが、一方でLIVが課題としている世界レベルでの「テレビ放映」は、いまだ道半ばといったところだ。今年のLIV初戦は2月24日~26日、メキシコのマヤコバ、エル・カマレオンGC。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月14日号「バック9」より(PHOTO/Blue Sky Photos)