LIVゴルフCEOのグレッグ・ノーマンが、「我々にとって非常に重要な日となった」とCWネットワークというロサンゼルスを拠点にするテレビ放映局と大会中継の契約を結んだと発表。グレッグ・ノーマン自身は熱く語ったたが、あまり聞きなれないCWネットワークとの契約が、ゴルフ界にどれだけ大きなインパクトを持つのか、その実態はやや微妙だ。

LIVゴルフ中継はCWネットワーク

昨年はすべての大会がYouTubeでの放映のみだったLIVゴルフだったが、FOXを含めたアメリカの4大ネットワークとの放映権交渉が不調に終わり、その下位に位置するCWネットワークとの放映権料なしでの契約となった。アメリカのゴルフウィークやUSAトゥデイはこのニュースを「(LIVにとって)自暴自棄的な契約」と伝えている。

また、アメリカのスポーツイラストレイテッド誌によれば、両者の契約は少なくとも3年間あり、向こう2年間は放映権料が発生せずに広告収入を折半するという内容(3年目以降は放映権料が発生する)。しかし、LIVには試合ごとのスポンサーがないため、CWネットワークのテレビCMだけではテレビ中継の製作費にもならない。LIVによれば、CWネットワークには1億2000万世帯の視聴者がいるというが、同社がコントロールできる放映局は3分の1程度しかなく、残りの3分の2については試合が放映されるか定かではない。

画像: LIV組。ブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー、フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン

LIV組。ブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー、フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン

ゴルフウィークによれば、金曜日の中継はアプリのストリーミングで、土日は地上波で放映されるということだが、実際どれくらいの視聴者がいるのか疑問視している。放映権料が発生しないのはマスターズも同じだが、こちらはマスターズ委員会が放映局から放送枠を購入し、マスターズ委員会が選んだスポンサーからCM料金を徴収している。LIVの場合は、ある意味、放映を「してもらっている」ほうかもしれない。

では、日本でテレビ中継を見られるか? 金曜日はCWネットワークのアプリによるストリーミング放映、土日はCWネットワークのテレビ放映となるため、去年同様LIVが配信するYouTubeでの視聴になりそうだ。フィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン、ブライソン・デシャンボー、ブルックス・ケプカ、セルヒオ・ガルシアらのビッグネームにつづき、若手実力者のキャメロン・スミス、ホアキン・ニーマンなどが加入し、フィールドは厚くなっているが、一方でLIVが課題としている世界レベルでの「テレビ放映」は、いまだ道半ばといったところだ。今年のLIV初戦は2月24日~26日、メキシコのマヤコバ、エル・カマレオンGC。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月14日号「バック9」より(PHOTO/Blue Sky Photos)

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