畑岡奈紗、古江彩佳、蟬川泰果…ガレス・ジョーンズの指導でステップアップ
2015年にJGAナショナルチームのヘッドコーチに就任したガレス・ジョーンズ。2017年、ネイバーズトロフィチーム選手権で男女とも優勝へ導く。翌2018年は世界女子アマチーム選手権で日本チームが2位に入るなど低迷していたナショナルチームを世界トップレベルに押し上げた。
これまでに女子では畑岡奈紗や勝みなみ、吉田優利、古江彩佳、西村優菜ら、男子では昨年の賞金王、比嘉一貴を始め、金谷拓実や中島啓太、蟬川泰果などを指導。そして、畑岡奈紗は2016年の日本女子オープン、古江彩佳は2019年の富士通レディース、金谷拓実は2019年三井住友VISA太平洋マスターズ、中島啓太は2021年パナソニックオープン、蟬川泰果は2022年日本オープンで、プロが出場するトーナメントでアマチュア優勝を果たした。
プロになってからも選手との交流は続き、試合会場で顔を合わせれば、アドバイスを求められることもある。昨年の男子ツアーでは、蟬川や中島のほかにも杉浦悠太、鈴木晃祐といったナショナルチーム出身者が優勝争いを演じ、男女ツアーでもますます存在感を見せている。
「ガレス・ジョーンズが日本のアマチュアゴルフ界を一変させたと思っています。実際にやっていることは奇抜なことではなく、欧米では当たり前のことを日本に持ち込んだと言っていいでしょう。それまでのナショナルチームでは、スウィングやフィジカル面の指導がメインだったのですが、彼はスウィングについては個々の個性があるからと、そこまで多く言うことはない。それよりもコース攻略やマネジメント、エイムポイントによる選手自身でのグリーンブックの作成など、徹底した情報収集と事前準備を取り入れました。それにより、どうやって練習していくかなど、今まで見えなかったことを可視化できるようになったんです」(タケ小山・以下同)
「僕は、彼のことを『軍師』だと思っているのですが、彼が来るまでスウィングという『ハード』面は優れたものを持っていても、それを使いこなす『ソフト』を磨く意識がなかった日本のジュニア界を大きく変えました。ショートゲームを重視するなど、世界では当たり前になっていることを、日本に浸透させたという意味で、貢献度は大きいと思います」
ガレス・ジョーンズはオーストラリア国籍のゴルファーですが、ゴルフ界の“黒船来襲”級のインパクトを現在進行形で残し続けている。
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※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月21日号より(PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa、Takanori Miki、Hiroaki Arihara、Yasuo Masuda)