タイガー・ウッズの影響でゴルフを始めた黒人のマーカス・バードが、憧れの人がホストを務めるPGAツアー「ジェネシス招待」の出場権を獲得した。
画像: タイガーがホストを務めるPGAツアー「ザ・ジェネシス招待」(2/16~19)の出場権を獲得したマーカス・バード(写真/Getty Images)

タイガーがホストを務めるPGAツアー「ザ・ジェネシス招待」(2/16~19)の出場権を獲得したマーカス・バード(写真/Getty Images)

マイノリティのプロ活動を促進するために設立されたアドボケイツ・プロゴルフツアー(以下APGAツアー)に参戦中の25歳はその実績が評価され、特別招待枠で同大会出場の夢を叶えた。

バードにはこんな少年時代の思い出がある。

首都ワシントンで育った彼は実家近くのコースで開催されたPGAツアーの試合を父と観戦に訪れた。もちろんお目当てはタイガーだ。

彼の写真を抱きしめサインをもらおうとドキドキしながら会場で待ち構えたが、想像を絶する群衆に囲まれたヒーローに近づくことはできなかった。がっかりしたが「いつか彼と同じ舞台に立つ」という目標ができた。

そして、いよいよそのときがやってくる。

「タイガーがジェネシスで出場する」とESPNが報じ、タイガーも「PGAツアーで戦う準備ができている」とツイッターに投稿した。昨年の全英オープン以来、7カ月ぶりに公式戦にタイガーが帰ってくる。

「それまでにさらに腕を磨いていきたい」と憧れの人に努力の成果を見せるつもりだ。

先月トーリーパインズGC(ファーマーズインシュランスオープンの舞台)で行われたAPGAツアーの競技でもバードは最終18番でバーディを奪い優勝を飾っている。この模様はゴルフチャンネルで放映され、賞金3万ドル(400万円弱)を獲得。

そして何よりうれしかったのは、PGAツアーの「ホンダクラシック」の出場資格を得たこと。「世界最高の選手たちの頭脳を学び、どのように改善しチャンスを最大限に生かすべきか。スポンジのようにすべてを吸収したいです」

3歳のときゴルフの手ほどきをしてくれた父・ラリーさんはバードがプロに転向した年に他界した。だから彼は試合に勝つたび空を指さし父に感謝の意を表してきた。

「彼のことは片時も忘れない」。天国の父は息子の活躍を誇らしく思っているに違いない。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年2月21日号「バック9」を一部加筆修正

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