バックフェースの絞り込みがやさしさの証し
ホームコースの受付嬢から、「最近早くお越しになられますね!」と声をかけられる。朝早く向かう理由はアプローチ練習が楽しくてしょうがないから。
できるだけ早く来てアプローチ練習場でスタートまで過ごす。いままでお助け機能満載のウェッジを使っていたが、シングル入りを目指しフォーティーンRM-αを購入したのがきっかけだ。
フォーティーンというとプロが使う激スピンという印象があるが、DJシリーズに代表されるダフリのミスに強いアマチュア目線のウェッジも作っている。私にとって、欲しいのはその2つののいいとこ取りしたウェッジだった。
やさしさを追求したDJ-5の新ユニバーサルソールと、中上級者に定評のあるRM-4のHソールを融合させた専用ソールをRM-αは採用している。リーディングエッジ側にゆるやかなバンパー部分を持たせ、ざっくりのミスを防ぎ、どんな使い方をしてもバウンスの利き具合が一定で、テクニックを使ったショットが打ちやすいソール形状だ。
RM-αは打点によるブレを抑えるために、バックフェースの凹部を絞ることで、余剰重量を効率的に上下へ配分。従来の製法をさらに進化させ、ルールギリギリの溝形状を追求した“新ハイスピンミラー鍛造フェース”はラフや雨の日においてもスピン性能の低下を抑え、安定したスピン性能を実現しているらしい。
専用設計の純正シャフトが絶妙で、シンプルなアプローチでは成功率が上がり、いざという時には覚えたてのテクニックも使える。RM-αは、マニュアルとオートマのいいとこ取りした、よくできた欧州のセミオートマ車のようなウェッジだ。
RM-αウェッジは、おそらく私のようにゴルフ大好きだけど試行錯誤していろいろ悩んだりした人たちが作ってくれている気がする。プレー後も家族に怒られない程度にアプローチ練習して帰ろう。
週刊ゴルフダイジェスト2023年2月28日号(TEXT/Motoharu Tajima、 PHOTO/Takanori Miki)