アジアンツアー「インターナショナルシリーズ オマーン」で海外初優勝を飾った金谷拓実。みんなのゴルフダイジェスト編集部のプロゴルファー・中村修がそのスウィングを解説。

海外志向の強い金谷拓実選手がついに優勝を飾りました。23年のアジアンツアーは中東のサウジアラビアからスタートし、隣国オマーンでの2戦目で最終日を首位からスタートし逃げ切っての優勝となりました。

画像: アジアンツアー「インターナショナルシリーズ オマーン」で海外ツアー初優勝を飾った金谷拓実

アジアンツアー「インターナショナルシリーズ オマーン」で海外ツアー初優勝を飾った金谷拓実

アラビア海に面した海沿いのコースはとても整備されていますが、風の影響をもろに受けるシーサイドコース。同大会に出場した香妻陣一朗、稲森祐貴選手らが練習ラウンドの様子をYouTubeにアップしているので、どんなコースか興味のある人はそちらでチェックできます。

「アイアンが絶好調で3日目はパーオン率100%だった」と契約するピンのツアー担当、穂積さんは教えてくれました。ではそのアイアンショットを見てみましょう。

金谷選手は正面から左手の甲が見えるストロンググリップで握り、フェースをボールに向けたまま開かないように使います。テークバックからトップにかけて体各部の高さが変わりません。

画像: 画像A 左手の甲が正面から見えるストロンググリップで握りフェースをボールに向けたまま開かずにテークバックする

画像A 左手の甲が正面から見えるストロンググリップで握りフェースをボールに向けたまま開かずにテークバックする

ダウンスウィングでも早い段階でフェースがボールを向いて下りて来ています(画像B左)。ストロンググリップで握っているので、インパクトでも左手の甲はターゲットを向かずにアドレスと同じ向きをキープしています。

画像: 画像B ダウンスウィングでも早い段階でフェースがボールに向いて下りて来て、アドレスと同じ左手の甲が見える形でインパクトを迎える

画像B ダウンスウィングでも早い段階でフェースがボールに向いて下りて来て、アドレスと同じ左手の甲が見える形でインパクトを迎える

インパクトからフォローにかけて、右手が下にあるところも、ストロンググリップで握る金谷選手の特徴が見て取れます。スクエアグリップやウィークグリップではフォローで右手が上になってきますが、金谷選手は、フェースの開閉が少なくすることと相性の良いストロンググリップで握ることで正確な方向性を生んでいます。

画像: 画像C インパクトからフォローにかけて、右手が下にあるまま振り抜くことでフェースの開閉を少なくし、方向性を確保している

画像C インパクトからフォローにかけて、右手が下にあるまま振り抜くことでフェースの開閉を少なくし、方向性を確保している

週刊ゴルフダイジェストのお正月特大号で掲載された金谷選手のインタビュー記事を読むと昨年は、海外に出ると予選落ちが続き、かなり落ち込んでいたようですが、その中でも試行錯誤を繰り返し欧州ツアーのQT一本に絞り出場権を手にしていました。

QT終わりで、知り合いの方からある言葉を贈られたと金谷選手。「昔、中国のお坊さんが書物を取りに行く途中、大変なことが続いて帰ろうとしたけど、その書物を手にするまでは絶対に帰らないという“覚悟”を表した言葉『不東』(三蔵法師・玄奘)。いい言葉ですよね」(週刊ゴルフダイジェストお正月超特大号のインタビューより抜粋)

その言葉を抱いてオフの練習に取り組みんだことで海外初優勝につながったのでしょう。目指すPGAツアー優勝、メジャー優勝に向けて一歩階段を上った金谷選手に今後も注目していきたいと思います。

写真/BlueSkyPhotos

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