『ステルス2 プラス』ドライバーで圧巻の366ヤードをマーク!
WMフェニックスオープンで3日目終了時点で単独首位に立つと、最終日も1イーグル、4バーディという盤石のゴルフを展開、通算19アンダーで今季初勝利を果たしたスコッティ・シェフラー。フェードヒッターということもあり、ロングヒッターのイメージはないかもしれないが、最終日の13番ホールでは366ヤードのビッグドライブ、平均でも316ヤードを記録した。実際2021-22シーズンのスタッツを見てもドライビングディスタンスは19位(平均311.6ヤード)で、れっきとした飛ばし屋のひとりだ。
昨年春先に勝利を重ね、世界ランキングナンバー1で臨んだマスターズでも優勝、一気にメジャー選手となったが、その快進撃を支えたのは前モデルの『ステルス プラス』ドライバー。そこからしばらくの間優勝から遠ざかっていたが、最新モデル『ステルス2 プラス』に持ち替えたとたんの勝利となり、先のLPGAツアーでのブルック・ヘンダーソンの優勝に次いで、PGA ツアーでも同クラブの威力を証明した形となった。
フェードヒッターらしく低ロフトでスピンを減らしている
さて、シェフラーの使用する『ステルス2 プラス』のスペックだが、基本的には『ステルス プラス』のときと変わらず、ロフト8度。フェードヒッターのシェフラーにとっては、低スピンの強弾道が持ち味の『ステルス2 プラス』でも十分なスピン量が確保される、それゆえのロフト選びだろう。シェフラー自身は、『ステルス2 プラス』の進化について、「フェース面がとにかくスクエアで構えやすくなった。ヘッドも大きく見えて安心感がある。打ってみるとストレートで曲がりづらいけど、僕の得意なカットボールも打ちやすい。最高だ」と、かなり満足度が高いようだ。
シャフトは変わらず『ベンタスブラック 7X』をチョイス。ストロングなロフト設定と重く張りのあるシャフトで、強いフェードボールを繰り出している。ちなみに、シェフラーのような重さをボールにぶつけていくスウィングタイプは70~80グラムのやや重めを、マキロイのような回転スピードの速いプレーヤーは60グラム台の比較的軽いシャフトを選ぶ傾向にあるようだ。
3番ウッドはやさしく球の上がりやすい『ステルス2』をチョイス
もう1本、今回チェンジしたのが3番ウッド。こちらは前作の『ステルス』から『ステルス2』に替えた。多くのツアープレーヤーが『ステルス2 プラス』を選択する中、珍しいともいえる。もともとシェフラーは、3番ウッドでやさしく球の上がりやすいモデルを選ぶ傾向にある。彼は5番ウッドを入れずに3番ウッドの下はアイアン型UTを入れるため、3番ウッドでもしっかり“止まる球”が打てることが条件なのだろう。昨年と今年のスペックを比較すると、『ステルス』はHL(ハイローンチ)モデルのロフト16.5度だったが、今回の『ステルス2』ではロフト15度を採用。その下のアイアン型UTのセッティングは変わっていないため、今回の『ステルス2』の3番ウッドのほうが、やさしく球を上げられるモデルに進化していると考えられる。
シェフラーだけが挑戦権をもつ“マスターズ連覇”。昨年の優勝でドローヒッターが有利と言う定説も過去のものにしてしまった。楽しみなのは13番ホール。今年ティーイングエリアが35ヤード後方に下げられ545ヤードになるようだ。今年は距離が伸びたためドライバーを手にするプレーヤーが増えるのではと予想される。シェフラーも『ステルス2 プラス』ドライバーを手に、どんな攻略ルートでバーディ、イーグルを奪うのか、大きな見どころだ。