問題のシーンは3日目の3番パー4。ジョン・ラームはティーショットを大きく左に引っかけ、球はラフの奥に張られたフェンスの先に消えた。すわ、トラブルか!?
と思いきや……。フェンスの先はもともと開けた空き地で大会時は機材置き場になっており、一帯は「臨時の動かせない障害物(TIO)」に指定されていた。
そのため、ジョン・ラームは球を捜すことなく、「TIOの中に止まったことがわかっている状況」としてフェンスを最後に横切ったと推定される地点からニヤレストポイントを決めてラフにドロップ。無罰で救済を受け、このホールをパーとした。
この救済に対し、ツイッター上には「どうしてOBじゃないの?」といった疑問が多く書き込まれることになった。確かにラームのショットはラフのさらに奥。木々が邪魔する大トラブルになったかもしれない。
それが無罰の救済となれば、とりわけ大会地元のカリフォルニア出身で優勝を争っていたマックス・ホーマのファンにとっては納得できなかったのだろう。
この救済について、日本女子プロゴルフ協会の競技委員で、先ごろ出版された『ゴルフルール早わかり集』(小社刊)の監修者でもある阿蘇紀子、中﨑典子の両プロに説明してもらった。
「このようなTIOは本来、試合がなければ存在しない物なので、そこに行けば罰なしの救済が可能になります」とTIOの基本を示唆したうえで、「ラーム選手が救済を受けられたことはラッキーではあったものの、SNSのコメントでは、球がそこへ行ったとしてもなくなるような場所ではなく、打てる状況にあったとあります」と説明。
「本来TIOは、プレーヤーの球がほぼ行かないであろう場所に設置されるが、今回のケースのように稀に行くこともある」と両氏。ただラームが入れたTIOエリアは、普通に曲げれば行きがちな場所にも見える。そもそも、そこが問題だった……?
※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月14日増刊号より(PHOTO/Blue Sky Photos)