PGAツアーのアジア圏マーケティングディレクター、コーリー・ヨシムラさんがチョイスした記事や選手たちの知られざるインサイドストーリーをご紹介。今回は3月9日(木)に開幕したザ・プレーヤーズ選手権の話。

行く手を阻むわずか137ヤードの17番

‟第5のメジャー”、ザ・プレーヤーズ選手権が、今週、PGAツアーの本拠地、TPCソーグラスのスタジアムコースで開催されています。

フィールドの厚さ、コースの難易度はメジャー以上だと言う選手もいます。「ゴルフの手腕を試される最難関のテスト」とはメジャー2勝のコリン・モリカワ。

奇才ピート・ダイ設計の特徴的なコースを攻略するにはパワーだけではなく、すべてのスキルを満たしたうえで緻密なコースマネジメントが必須です。

「ここはゴルフの真の実力が試される場所」と言うのは、現在世界ランク2位のスコッティ・シェフラー。同ランク1位のジョン・ラームは、「これは非公式のメジャー。ここで勝つことで我々の履歴書は完成する」と戴冠を切望しています。

コースが選手に要求するのは技術だけではありません。70ホール目まで、いくらリードを広げても、あの有名なアイランドグリーンの17番パー3によって展開は大きく変わります。距離はわずか137ヤード。

画像: TPCソーグラスの17番。世界で一番有名なアイランドグリーンのパー3。写真は昨年のザ・プレーヤーズ選手権でのローリー・マキロイ。ボールの行方を心配して見守る雰囲気が伝わってくる

TPCソーグラスの17番。世界で一番有名なアイランドグリーンのパー3。写真は昨年のザ・プレーヤーズ選手権でのローリー・マキロイ。ボールの行方を心配して見守る雰囲気が伝わってくる

しかし、「日曜日の17番は選手にとって究極の試練」とは、2004年に24歳の若さでチャンピオンに輝いたアダム・スコットの言葉。

緊張と重圧、それをいかにコントロールできるかが最大の課題です。選手のショットデータを記録する「Shot Link」が採用された2003年以降、このホールで925個のボールが池の餌食になりました。

画像: 最初の写真のつづき。池ギリギリの傾斜で止まったローリー・マキロイの2打目。見事に寄せてパーセーブ!

最初の写真のつづき。池ギリギリの傾斜で止まったローリー・マキロイの2打目。見事に寄せてパーセーブ!

2021年の初日、アン・ビョンフンがこの池に4回打ち込み「11」を叩いたのは記憶に新しいかもしれません。

ワーストはボブ・ツエー(2005年)の「12」。137ヤードしかなくウェッジで打てるこのホールは、昨シーズンのツアーで10番目に難しいパー3にランクインしました。9位までの平均は224ヤードですから、いかにTPCソーグラスの17番が選手たちの行く手を阻む難関かがわかります。

画像: ザ・プレーヤーズ選手権の優勝トロフィは、PGAツアーのロゴをモチーフにした高さ約43センチ、重さ約3.6キロのスターリングシルバーと24Kゴールドバーメイル製。2019年からティファニーが製作している

ザ・プレーヤーズ選手権の優勝トロフィは、PGAツアーのロゴをモチーフにした高さ約43センチ、重さ約3.6キロのスターリングシルバーと24Kゴールドバーメイル製。2019年からティファニーが製作している

「世界でもっとも勝つのが難しい大会」( トニー・フィナウ)で栄冠に輝くには最高のショットメイキング、最高のショートゲーム、最高のコースマネジメントに加え、鋼のメンタルが必要。

この記事公開時点で2日目終了。まもなく3日目がスタート、難関17番の攻防をぜひ、お楽しみください。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年3月21日号より(ARRANGE/Mika Kawano、PHOTO/KJR、Tadashi Anezaki、Getty Images)

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