3年前、新型コロナウイルスの影響で、修学旅行や社会科見学など、学校生活での楽しいイベントがなくなってしまった小学生に、何か思い出作りのお手伝いができないかと、GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスが6年生の児童をゴルフ場に招いたのがこの催しの始まり。
同ゴルフ場では夏休みにもゴルフ場を解放し星空観察や昆虫観察などを行っており、地域とゴルフ場の「つながり」を大切にしている。普段立ち入ることのないゴルフ場で小学生生活最後の楽しい思い出を作ってもらいたい、という願いから実現したこのイベント。いまでは浜須賀小学校だけではなく、緑が浜小、汐見台小、松浪小と近隣の小学校へと広がり、子どもたちの思い出作りに欠かせないものとなっている。
この日、約束の時間になると隣接する3番ホールから浜須賀小学校の児童が元気よく入場。松永忠弘校長の挨拶が終わると、お楽しみコンテンツが始まった。
お楽しみコンテンツの内容は大きく分けて3種類。目標を狙ったり、得点の高い位置にボールを止めて点数を競うフットゴルフ、そして玉入れとアプローチが一緒になったアプローチゲーム。児童たちは笑顔で伸び伸びと競技に参加、仲間たちと楽しく得点を競い合った。
芝が一面に生えそろったゴルフ場で児童たちは大はしゃぎ。競技に参加する以外にも普段目にすることのない広い芝生の上を所狭しと走り回ったり、スライディングしたりと最後の思い出を胸に刻みこんでいた。
そして最後は浜須加小学校の児童たちがGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスと取り組んできたサステナブルな活動を発表した。
児童たちが注目したのはゴルファーなら誰もが手にして使う「ペグシル」だ。手軽に使える小さな鉛筆、スコアを書き込んだあとみなさんはどうしているだろうか? そのまま捨てられるのはもったいないと児童たちはペグシルの代わりに鉛筆の再利用を促す活動を始め、集めた鉛筆は800本。「新しいペグシルをおろす前に、この短い鉛筆を使ってください」とGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスに集めた鉛筆が寄贈された。
たくさんの鉛筆のお礼に、ゴルフ場から記念品が渡されると、イベントはクライマックスへ。6番ホールに集合した児童たちはエコ風船を手にし、いろんな思い出と願いとを込めて大空へと解き放った。
この児童の中からも必ずゴルファーが生まれるはず。来るべきゴルフ人生において、このゴルフ場での楽しい体験と思い出は、きっとプラスに働いてくれることだろう。
そしてGDO茅ヶ崎ゴルフリンクスのこのような取り組みは、ゴルフ場と近隣地域との新しい関係構築のモデルケースになるに違いない。
写真/三木崇徳