東北福祉大の先輩、松山英樹からのアドバイス
マスターズ前週のバレロテキサスオープンに出場した比嘉一貴。残念ながら予選落ちに終わったが、「『早めに入って練習するのもいいけど、回りすぎても疲れる』と(松山)センパイに言われたので昨日(日曜)入りにしたのに「まだいるのか」と言われました(笑)」
事前に松山英樹からは3つのポイントを教えてもらったという。
「バンカーでしっかり振って60cmのショット、3ヤードのアプローチ、パッティングでのボールの1回転の距離感。それぐらい繊細だというんです。1月から3カ月間、色々練習しましたが、これが難しくて」
そして、月曜日の朝、初めてオーガスタナショナルGCに足を踏み入れた。
「マグノリアレーンは、通る前から気疲れじゃないけどドキドキしました。何もかも初めてで、中に入ると雰囲気もガラッと変わる。マスターズには特別な思いがありましたが、そう思っている時点で、まだ観光気分になっている。引き締めないと」
10時にドライビングレンジに姿を現した比嘉は、例年、松山英樹が使う左端の打席に立った。これも松山からのアドバイスがあったのかもしれない。小雨が降り始めるなか、ウェッジ、アイアン、ユーティリティ、フェアウェイウッド、そしてドライバーと、トラックマンでデータを確認しながら調整していく。ショットが終わったら、練習グリーンに移動し、念入りにパッティングを繰り返した。そして12時15分に、ひとりで1番ホールからスタートした。
「テレビだとグリーンが大きく見えて、みんな簡単そうにやっていたけど、実際にはグリーンは小さくて傾斜もきつい。狙いどころは狭く、そこ以外はほぼダメ。ティーショットは広いけれど、2打目以降のことを考えて、そこに打って行かないといけない。ひとつでもミスをすれば、すぐにボギーやダボになるので神経を使います」とオーガスタの9ホールを初めて回った比嘉。
「過去の試合の動画とかを見て、決勝ラウンドのピンポジなどはイメージできていますが、まずは予選。明日(火曜日)先輩に教えてもらおうと思っています」という比嘉だが、すでに松山から技術以外で教わったことがあるという。
「ウェッジのバウンスを変えました。松山先輩のものを参考に削ったんです。今日は芝が緩かったけど、硬くなったら弾かれるので。ただ、自分が用意してきたクラブでは、ちょっといじれなかったので、先週、クリーブランドのウェッジを作ってもらいました。今日は使いませんでしたが、いい跳ね方をするんです。また今日の練習ラウンドではグリーンもフェアウェイもそこまで硬くなかったのですが、本選は練習ラウンドとはガラッと変わるはず。その対応力が求められると思います。それに、今日も軟らかいとはいっても6番アイアンで10ヤードも転がりましたから」と、クラブにもオーガスタ対策を怠らない。
「マスターズに出られることが、いい経験になって、来年も出られる順位で終われれば。いいチャンスをもらえたので生かせるように頑張りたいです」
写真/Blue Sky Photos