「贅沢な時間が過ごせた」
8時過ぎには練習場に姿を現した松山英樹と比嘉一貴。ドライビングレンジとパッティンググリーンで調整をして、10時30分にアウト1番ホールからスタートした。とくにグリーン周りは時間をかけて入念にチェック。4日間の想定されるカップ位置に"想定カップ"を設け、アプローチとパッティングを繰り返してラウンドした。
ホールアウト後、比嘉に何を教えたかと聞かれ、「聞いてくれば答えるだけ。この3週間ずっと一緒にいて、聞かれれば答えてきた」という松山だったが、比嘉にはそれ以上の体験だったようだ。
「アウトの9ホール、一緒に回らせてもらい、スタートホールから時間をかけてくれました。自分の想定外の所にピンが切られること、そして、このピンのときはここ、このときはこっちと、即実戦に生きるマネジメントをたくさん聞けて、いい時間を過ごせました。ただ、やっぱり基本的には今日も軟らかい。本選ではもっと締まって来るので、『予選ラウンドから試合までは参考にしないほうがいいよ』と。それを踏まえたうえで、『ここにオーバーして行っちゃうから、ここから練習したほうがいい』などと、練習ラウンドでは起こりえない、想定できないことを教えてもらいました。僕が聞く、というよりは、『こうなるだろうな』というのを教えてくれて、聞くスキがなかったです。贅沢な時間を過ごせました」
松山と別れたあとも、イン9ホールをひとりで回った比嘉は、16番ホールではパトロンの声援にこたえて水切りショットも披露。6番アイアンで打った低い球は、水面を這うようにグリーンに向かって行ったが、最後、高さが足りずに壁を超えられなかった。だが、「明日は松山さんとインを回るので、いい準備ができました」と2日後に迫ったマスターズ開幕に向け調整を進めている。
写真/Blue Sky Photos