パー3コースを取り囲む大群衆
1960年に始まったパー3コンテスト。選手の家族や友人などがキャディを務めることができ、マスターズのキャディ専用の白いつなぎに緑の帽子をかぶって登場。最終ホールではショットやパットを打つことも許されているため、選手ばかりでなく、その家族・友人にとってもかけがえのない経験ができる場だ。
そんな選手たちをひと目見ようと、大勢のパトロンたちがパー3コースを取り囲む。そしてグリーン上では白いつなぎを着た小さな子供が一生懸命パッティングをしたりと微笑ましい光景が見られた。また、パー3だけあって、あわやホールインワンというショットには大盛り上がり。
パー3コースは選手、家族、パトロンが一緒に楽しめるワンダーランドと化していた。
目の前で3つのホールインワン!
そして、その時はやって来た。昨年までに102回のホールインワンが記録されているが、103回目は8番で生まれた。シーマス・パワーが放った1打はピン手前からとろとろと転がってカップイン。その瞬間、パトロンたちの大歓声がパー3コースを包み込んだ。
その興奮が、まだ冷めやらぬ9番115ヤード。またしてもシーマス・パワーの1打はグリーン奥からスピンと傾斜でスルスルとカップに戻って来る。そしてまたしてもカップの中に消えて行った。パトロンは総立ちで大歓声と拍手をシーマス・パワーに送った。
パー3コンテストでの連続ホールインワンは2002年の伊沢利光に続く歴代3人目だという。
だがこれで終わりではなかった。まだシーマス・パワーが9番グリーンにたどり着く前に、次の組のスコッティ・シェフラー、サム・バーンズ、そしてトム・キムの3人が9番ティーイングエリアで一斉にショットを放つ。
するとシェフラーのボールが直接カップインするスラムダンク! 短い時間で立て続けに3つのホールインワンが生まれた。今年は4番でバッバ・ワトソン、8番でトム・ホギーもホールインワンを達成した。
写真/Blue Sky Photos