「多くのゴルファーは飛ばしのエンジンを使っていません」。そう断言するのは、出水田大二郎プロとコーチを務める櫻井省吾プロだ。飛ばしのエンジンとは、ズバリ、お尻。手打ちを卒業して、お尻を使うコツをつかめば、飛距離の限界は突破可能だという。あなたの飛距離を塗り替えるのは、あなたのお尻でした…。
画像: 5年ぶりの2勝目を目指す出水田大二郎(左)と出水田プロのコーチをしながら、福岡県のTHE GOLF@HAKATA BASEでレッスン活動中の櫻井省吾コーチ

5年ぶりの2勝目を目指す出水田大二郎(左)と出水田プロのコーチをしながら、福岡県のTHE GOLF@HAKATA BASEでレッスン活動中の櫻井省吾コーチ

お尻が動けば飛距離が伸びる

183センチの長身から繰り出すドライバーショットはツアー屈指、5年ぶりの2勝目を目指している出水田大二郎。出水田のコーチをしながら、福岡県のゴルフスタジオ「THE GOLF@HAKATA BASE」でレッスン活動している櫻井省吾プロ。九州出身コンビによる「お尻が動けば飛距離アップ」インタビュー。

GD 早速ですが、我々アマチュアは、腕力でボールをひっぱたいて飛ばそうとしますが、それこそが飛ばない原因ってホントでしょうか?

櫻井 そうなんです。アマチュアと出水田プロのインパクトを比べてみると、腰の回転量が違うのがわかりますよね?

画像: 左がお尻が動いていないアマチュアのインパクト。右が出水田大二郎プロのインパクト

左がお尻が動いていないアマチュアのインパクト。右が出水田大二郎プロのインパクト

GD ぜんぜん違いますね。

櫻井 これが、お尻のターンで飛ばすということなんです。

GD せっかく持っているお尻のエンジン、どうすれば始動できるんでしょうか?

櫻井 体の捻転です。上半身と下半身の捻転差によって、お尻が速く、強くターンするんですよ。

出水田 捻転差を大きくするには、アドレスの左ひざが大切なんです。

上下の捻転差によってお尻が動き出す

櫻井 そう。アドレスで左のつま先をちょっと開いて、ガニ股っぽく構えるんです。

出水田 ちょっとカッコ悪いですけど、これが正解。左ひざの位置を変えないようにバックスウィングすると、大きな捻転差が生まれるんです。

櫻井 ややガニ股気味に構えて、左ひざの位置を変えないようにバックスウィングすると、上半身と下半身の捻転差が大きくなります。これが、パワーをため込んだ飛ばせるトップです。逆にアドレスでひざを内側に絞ると、バックスウィングのときに左ひざと左腰が同じように動いてしまいます。そのため、捻転差がほとんどない、飛ばないトップになってしまうんです。

画像: 左つま先を開いてアドレス。右の写真のように左ひざを大きく動かさないようにバックスウィング

左つま先を開いてアドレス。右の写真のように左ひざを大きく動かさないようにバックスウィング

出水田 両足の間にボールのカゴを置き、両足で軽く挟みます。この状態からアイアンでボールを打つと、左ひざの位置を保ったままスウィングする感覚がつかめます。

画像: 両足の間にボールカゴを置き、両足で軽く挟みます。この状態でボールを打つと、左ひざの位置を保つ感覚がつかめる

両足の間にボールカゴを置き、両足で軽く挟みます。この状態でボールを打つと、左ひざの位置を保つ感覚がつかめる

GD ガニ股アドレスで構えたら、次はトップですね。

櫻井 そうですね。お尻のターンで振るには、トップでいかにパワーをためるかがもっとも重要で、左肩と頭が右ひざの真上にあれば正解です。このとき、左ひざはできるだけ内側に絞らないこと。

GD 右足にしっかり乗りながら、左肩をフルに回すということですね。

出水田 これができたら、捻転差はマックスですよ。

櫻井 体の柔軟性が高くないと、出水田プロのようなトップにはならないかもしれませんが、コツをつかめば自分の最大の捻転差は作り出せます。

GD なぜこのポジションが重要なんでしょうか?

櫻井 グリップが右耳よりも後ろにあれば、体を巻き戻すだけで、自然とクラブがインから下りてくるんですよ。

GD なるほど! オンプレーンで振れるんですね。

画像: 右足にしっかりと体重を乗せると、トップで頭と左肩が右ひざの真上にきます。グリップは右耳よりも後ろに位置します。クラブが自然とインからシャローな軌道で下りてくる体勢です

右足にしっかりと体重を乗せると、トップで頭と左肩が右ひざの真上にきます。グリップは右耳よりも後ろに位置します。クラブが自然とインからシャローな軌道で下りてくる体勢です

GD トップで捻転差を作ったら、いよいよお尻をターンさせるわけですね。

出水田 確かにお尻をターンさせるというか、左股関節が回り出すんですけど、この動きは、決してお尻を動かしているわけではないんです。

出水田 ここで働くのが捻転差です。体はねじり上げられていて、元に戻りたがっているわけです。その目一杯の状態から、左足をグッと強く踏み込んで、一気に股関節を解放する感じです。左足を強く踏み込むことで左股関節が回転、つまり、肝心のお尻が動くわけです。その回転に腕が引っ張られて、最後にクラブが下りてくるという感覚です。

櫻井 ゴルフ用語ではキネティックチェーンと言いますが、左足の踏み込み動作が、左ひざ、股関節、体幹、胸、腕と運動連鎖として伝わって、最後にクラブが下ろされます。

左つま先を90度開いて打つ。お尻の動きが促進される

櫻井 ここでひとつドリルを紹介します。左のつま先を90度開いてボールを打ちます。これで、左ひざを内側に絞りにくくなり、切り返し以降のお尻のターンが促進されます。ハーフスウィングから始め、慣れてきたらフルショット。お尻をターンさせてスウィングする感覚を定着させます。

画像: 左のつま先を90度開いてボールを打つ。左ひざが内側に入りにくく、切り返し以降のお尻のターンが促進される

左のつま先を90度開いてボールを打つ。左ひざが内側に入りにくく、切り返し以降のお尻のターンが促進される

出水田 もうひとつ僕がやっている練習法もあります。使うクラブはSW。腰の高さにテークバックしたら、そこから先は手を使わず、体のターンだけでボールを打ちます。フィニッシュまで手が体の正面から外れないように振っていると、体のターンでクラブを動かす感覚がわかってきます。

画像: 手を使わず、体のターンでボールを打つ。フィニッシュまで手が体の正面から外れないように

手を使わず、体のターンでボールを打つ。フィニッシュまで手が体の正面から外れないように

GD 左足の踏み込みがスイッチになって、お尻のターンに引っ張られて腕が下りてくる。このとき、大切なポイントはありますか?

出水田 ひと言で言えば、腕の脱力です。プロなら全員、腕の力を使っていません。

GD 手打ちとは真逆ですね。

出水田 逆に言えば、スウィング中にコックが深くなったり、コックがほどけてしまうのは、手の力を使ってクラブを動かしている証拠でもあるわけです。

画像: インパクトで腰は45度くらい開く。後ろから見て、ちょうど左のお尻が見える。スマホでチェックしてみよう

インパクトで腰は45度くらい開く。後ろから見て、ちょうど左のお尻が見える。スマホでチェックしてみよう

出水田 ここまで櫻井コーチと説明してきたことがある程度できれば、お尻の動いたインパクトに近づきます。お尻が回転し出したら、インパクトで腰は45度くらい開きます。後ろから見て、ちょうど左のお尻が見えるぐらい。スマホで撮れば、お尻の回転が簡単に把握できます。

櫻井 左のお尻が見えたら、手打ち卒業です。球が必ず飛び出します。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月25日号より(PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/ザ・クラシックGC)

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