女子ツアー黄金世代の実力派にして天然キャラクター・小祝さくら。焼き肉のタン塩が大好きという小祝さくらのゴルフ回路を覗く異色エッセイ。第15話は「自分の名前と桜の季節」

小祝さくらは、先月、25歳の誕生日(4月15日)を迎えた。さくらの名前の由来は、多くの皆さんの予想通り、桜の季節に生まれたからだ。

画像: 4月25日、地元北海道の北広島にできた日本ハムファイターズの新球場、エスコンフィールド北海道で「ファーストピッチ」を行った小祝さくら。ワンバウンドでも、ストライクのラインに入った綺麗な球でした

4月25日、地元北海道の北広島にできた日本ハムファイターズの新球場、エスコンフィールド北海道で「ファーストピッチ」を行った小祝さくら。ワンバウンドでも、ストライクのラインに入った綺麗な球でした

将来の夢はレジ打ちでした

「でも、ぜんぜん気に入っていないんですよ、自分の名前。昔から嫌いだったんです。小祝という苗字がいちばんイヤで。珍しいから恥ずかしくて、学校で自分の名前を言うときなんか、めっちゃイヤでした。今はさすがにそういう恥ずかしさはなくなりましたけれど」

さくらという名前も気に入っていないらしい。「もう少しかわいい名前がよかったです。もっと女子っぽいのがよかった。もし、自分の子どもに付けるならば、なんだろう……りんちゃんとか、まりんちゃんとか、かわいい感じの名前がいいかなあと思います。私自身が、和風系ではない名前がよかったですしね(笑)」

周りからみれば、小祝さくらは和風美人に見えるが、そうイメージづけられるのがイヤなのか、あまのじゃくなのか。そんな小祝さくらに、将来の夢は何だったか聞いてみる。

「小学生から中学生くらいまでの夢はずっと、レジ打ちだったんです。ずっと憧れていて、将来の夢だったんですけど、高校生のとき、リサイクルショップのアルバイトで実際にやったんです。念願のレジ打ちだ! と思ってやったら、全然想像と違って(笑)」

小祝は、バーコードを読み取るタイプの自動的な機器を想像していたらしい。「自分の手で打つものではなくて、バーコードをかざしてピッてやるやつです。でも、そのお店は、全部手で打つので、難しいし、プレッシャーなんですよ。間違えたらダメだし。今では、なりたい職業ではなくなりました」

画像: 「好きな季節は、実は秋なんです。気温や気候が一番好きです」

「好きな季節は、実は秋なんです。気温や気候が一番好きです」

プロゴルファーは、たいへんではありますから

ただ、生まれ変わっても、プロゴルファーにはなりたくないのだという。今くらいの実力があったとしても、だ。

華やかな職業なのに? 「まあ、たいへんではありますから、へへへへ」。何となく笑いに変えてしまったが、女子プロ稼業は見た目ほど、華やかでも、ラクでもないことは、身に染みて理解している。

いつも穏やかでホンワカしている小祝さくらだが、やはり、心の中には、ツラいことも悔しいこともたくさん持っていて、それを乗り越えるために日々努力をしている。

桜が毎年、美しい花を咲かせて皆を楽しませてくれるように、小祝さくらもまた、意外にアグレッシブなプレーと不思議な言動でわれわれを楽しませてくれる。北海道の‟さくら”は、いまからが本番。今年もまた、花を咲かせていく。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月9・16日合併号より(PHOTO/Satoru Abe、Shinji Osawa)

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