長い番手の特徴を知っておこう
ゴルフクラブの中でもとくに上手く扱うのが難しいと言われがちなのが、ロングアイアンやフェアウェイウッドといった、地面にあるボールを打つ長い番手だ。
地面から打つ長い番手はなぜ難しい？
ではいったいなぜ難しいのか。JJコーチは「クラブ自体の長さもそうですし、ロフト角が立っていることも大きいですね」という。
「クラブ長が長くなるほど、スウィング中のヘッドが描く円弧も大きくなり、遠心力も強まってきます。その影響でヘッドの最下点が7番アイアンよりも左寄りになります。また、ロフト角が立っているのでボールも上げづらいんです」（JJコーチ、以下同）
そんな中でアマチュアがやってしまいがちなのが「『ボールを上げなきゃいけない』という先入観からスウィングが変わってしまうこと」だという。
「重心が右に寄ったり煽るような打ち方になってしまうと、ヘッドの最下点はボールよりも手前側になり、ダフリもしくはトップといったミスにつながってしまいます。基本的にはロングアイアンでもショートアイアンと同様に重心は左に置くと覚えておいてください」
ボールを上げようとして重心が右に残ったり煽り打ちしてしまう（写真左）とダフリやトップの原因に。写真右のように左重心で振ろう
また、スウィングだけでなく、そもそもボール位置をヘッドの最下点よりも手前側に置いてしまうパターンもあるという。
「ボール位置を7番アイアンと同じ感覚でスタンスの真ん中に置く方もいますね。もちろん遠心力のかからないハーフスウィングや、レイアップするような感じの振り幅であれば真ん中のボール位置でも全然当たるんですけど、フルスウィングでしっかり遠心力がかかるのであれば、前述したように最下点が変わってくるので、ボールはちょっと左に寄せて構えましょう」
5番アイアンのボール位置（写真右）は7番アイアン（写真左）よりも左寄り
加えてもう一つの“長い番手あるある”が「長いぶんヘッドスピードを上げなきゃいけないという先入観から力が入ってしまいやすいことですね」とJJコーチ。
「ヘッドスピードを無理に上げようとして力んでしまうと、大体の方はアウトサイドインの軌道になってしまいます。力まず振るためには、リズム良く振ることを意識しましょう。オススメはイチ・ニー・サンの三拍子でリズム良く振る練習です。アドレスの状態から『イチ』で地面をクラブでポンと叩いて始動のきっかけ作り、『ニー』でトップまでクラブを上げ、『サン』のタイミングでインパクトするようにクラブを振ってみてください」
ヘッドスピードを上げようと力が入り過ぎると、アウトサイドイン軌道になってしまう
まとめると、長い番手だからといって飛ばそうとし過ぎない。ボールを上げようとし過ぎない。左重心を意識して振る。この3つが地面にあるボールを打つ長い番手を扱う際の大きなポイント。「写真では5番アイアンを例にしましたが、フェアウェイウッドやユーティリティでも同様なので、ぜひ参考にしてみてください」とのことだ。
協力/Tom's Bishon草加店
