1983年「384ツアー」、91年「ツアーバラタ」、93年「プロフェッショナル」と、糸巻きボールで米ツアーを席巻していたタイトリストが2000年に投入したウレタンソリッドボールが「プロV1」だった。
画像: 2000年に投入された初代の「プロV1」。当時32歳の深堀圭一郎は、このボールを使用し宇部興産オープンで優勝

2000年に投入された初代の「プロV1」。当時32歳の深堀圭一郎は、このボールを使用し宇部興産オープンで優勝

「いままで作り出されたものの中で最高のボール」とミケルソンは絶賛

1996年にプロ転向してから一貫してタイトリストの糸巻きボール「プロフェッショル90」を使用していたタイガー・ウッズが2000年5月のドイツ銀行オープンからボールを変更。

ナイキのウレタンカバーのソリッドボール「ツアーアキュラシーTW」を実戦投入した。すると6月の全米オープン、7月の全英オープン、8月の全米プロとメジャーを立て続けに制覇する。

そんなタイガーに待ったをかけるべく、タイトリストが10月に登場させたのが「プロV1」。デビュー戦となったラスベガス招待でいきなり勝利を挙げただけでなく、トップ10中6人が使用。11月のザ・ツアー選手権では「いままで作り出されたものの中で最高のボール」と絶賛したフィル・ミケルソンが優勝と快進撃。ザ・ツアー選手権と同じ週に開催されていた国内男子ツアー、宇部興産オープンでも深堀圭一郎が使用し優勝した。

「ドライバーでミスしたときやアゲンストでの飛距離のロスも少ないんですよ、このボールは。それなのに、アイアンやアプローチではスピンがかかる。どのショットでも感触がしっかりしているけど、軟らかいという感じなんです」(深堀)

シーズン終盤にもかかわらず、国内男子ツアーでも多くの選手が「プロV1」にスイッチ。3週後のカシオワールドでは予選通過者65人中25人がこの新しいボールを使用した。

「打った瞬間、今までと飛んだボールの位置が違う。初速が違うみたい。それなのにボールがくっつく感じがある。最高にいいです」とは優勝した鈴木亨。テレビ中継では「鈴木亨は新しいボールに替えて15ヤードくらい飛距離が伸びた」とコメントされていた。

いきなり国内外のツアーで実績を残し「飛んで止まる」と話題になった「プロV1」は、翌年3月に市販されて以来、現在までツアーボールで圧倒的な人気を誇っている。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月6日号「ニッポンゴルフ初物語」より

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