全米プロシニアに出場するも、途中棄権したジョン・デーリー。SNSに投稿したコメントがいかにも‟デーリーらしい”と話題になっている。愛しき悪童ぶりは健在。

ひざが痛いんだ。左足下がりはフォローが取れない

画像: ジョン・デーリ―。ひざの故障が慢性化して、ここ数年はカートに乗ってプレーすることが多い

ジョン・デーリ―。ひざの故障が慢性化して、ここ数年はカートに乗ってプレーすることが多い

キッチンエイド全米プロシニアの初日、13番ホールで棄権したデーリー。棄権理由を「ティーが左足下がりばかりで平らではなかった」と自身のSNSで説明した。

「コースは素晴らしいのにティーボックスが平らじゃない。我々はもう若くない。故障を抱えている選手も多いし、左足下がりだと満足にフォロースルーを取れない」と訴え、「セントアンドリュースにダウンヒルのティー(ティーングエリア)はない。(主催の)全米プロゴルフ協会には申し訳ないが、この件に関しては間違っている。でも、皆さんを愛しています」

投稿には左ひざが腫れ上がった痛々しい画像も。オフシーズンに左ひざを人工関節に置き換える手術を受けているが、いまだ腫れは引いていないようだ。

100キロ超えの巨体を支え、酷使され続けたひざが悲鳴を上げたのは今回が初めてではない。現在は体のあちこちに支障が生じ、健康上の理由から米シニアツアーではADA規制(障害を持つアメリカ人法)にのっとり、カート使用を認められている。主催が全米プロゴルフ協会のこの大会でも同様にカート使用が許可されていた。

全米プロシニアは特別な試合だからこそ…

画像: 全米プロシニア初日、5オーバーで13番を終えた時点で棄権(写真は4年前の全米プロ)

全米プロシニア初日、5オーバーで13番を終えた時点で棄権(写真は4年前の全米プロ)

「全米プロシニアは自分にとって大きな試合。心の中で常に特別な場所であり続ける」と公式コメントを発表したデーリー。

補欠から繰り上がり出場し、メジャー初出場で初優勝の伝説を作ったのが、32年前の全米プロ。今回も主催は全米プロゴルフ協会。主催者に気を使いつつも、SNSではデーリー節たっぷりのメッセージだった。

ただし、ティーが左足下がりでシニアには体の負担がかかると主張したのはデーリーだけだった。プレーオフで戦ったスティーブ・ストリッカーとパドレイグ・ハリントンは60台を連発しており、他の選手からもセッティングに関する批判は聞こえてこなかった。

いまだにデーリーの人気は格別で、シニアのメジャーで復活優勝を遂げたら、ゴルフ界が盛り上がることは間違いない。ティーの傾斜を嘆くよりも、ひざの負担を軽くすべく体重を落とす方が、活躍の道は近づくような気もするが……。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月20日号より(PHOTO/Tadashi Anezaki)

This article is a sponsored article by
''.