岩井明愛・千怜といえばいまや国内女子ツアー屈指の人気と実力を兼ね備えたトップ選手。今春まで姉の明愛は先にツアー2勝を挙げた妹・千怜と何かと比べられる存在だった。その明愛がツアー優勝を遂げたことで、今度はアマチュアの末弟・光太さんが“比べられる存在”となった。
次の目標は「日本アマのタイトル」(岩井光太)
「それはもう言われ慣れましたから」
と屈託のない笑顔を見せたのは、先週千葉県の総武CC総武Cで行われた関東アマチュア選手権を制した直後の岩井光太さん。
岩井姉妹の弟で、現在日本大学1年生、ゴルフ部に所属している。
「姉二人の活躍は、ちょっとプレッシャーを感じるところもありますが、実はあまり気にしていないんです」
同大会は、歴代優勝者に堀川未来夢や中島啓太の名前が並ぶ、国内屈指のレベルのアマチュア選手権。7000ヤード・パー70 というタフな設定で行われたが、光太さんは初日からのトップを一度も譲らない「完全優勝」で、2位の本大志さんに5打差を付けて圧勝した。
しかし、6打リードで迎えた最終日は、出だしの1番ホールでティーショットを右に押し出し、ダボスタート。
「今日は最初から焦らないことを課題にしていたので、特に焦りはありませんでした」
という言葉どおり、もともとバーディを計算していた2番できっちりバウンスバック。
「これで気持ちがずいぶん楽になった」
と振り返る一方、ビッグスコアを出す選手がいると想定して、油断することはなかったという。そして、ドライバーで攻めるのが自分のスタイルだと言わんばかりに、
「この4日間は守ることより攻めることを意識してプレーしました」
と攻め抜き、他の追随を許さなかった。
次の目標は? という質問に対しては、
「まずは日本アマ。このタイトルは獲ります」
ときっぱり。これが有言実行されれば、岩井家の“比べられる存在”からは卒業。これからの活躍に期待したい。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月20日号「バック9」より