同コースは「隠れた宝石」とも称される超プライベートコースで、これまで一般の目に触れることがなかった。というより、人目にさらされることを拒んでいた面もある。1986年に全米オープンが開催される可能性もあったが、メンバーからの反対でとん挫。大会がこのコースで開催されるのは40 年のLAオープン以来、83 年ぶりとなる。
そして、ハリウッドのど真ん中にあるにもかかわらず、リビエラCCやベルエアCC とは異なり、映画スターやセレブたちにも門を閉ざしていた。かつてPLAYBOY誌を創刊したヒュー・ヘフナー氏がノースC・13 番グリーンそばに豪邸を構えていたが、その彼ですら入会を断られている。
しかし、2010年にノースCが大きく改造されたことと若いメンバーが増えたことで保守的な流れが変わり、今回の受け入れに至ったというわけだ。
気になるコースだが、フェアウェイは広く変化に富んでおり、たとえばパー3のホールでは5番が124ヤード(普段は90 ヤード台)にもかかわらず、11 番は290ヤードと大きく異なる。542ヤードのパー4があると思えば、330ヤードのパー4もあり、パー5は537、547ヤードと距離だけ見ればパー4と変わらないホールがある一方、623ヤードのホールもあり、バリエーション豊富。
同コースを知るゴルファーによれば、「リスクに見合った報酬がある」ため、優勝スコアは大きく伸びる可能性がある一方、崩れる選手も少なからず出てきそう。リーダーボードが目まぐるしく変わるかもしれない。
先日、全米オープン出場を決めた石川遼が「回ることを夢見ていた」と言った同コースを、選手たちがどう攻略するか楽しみだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月27日号「バック9」より