多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はつるやの「アクセル GF」ドライバー。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: 【試打クラブスペック】●ロフト角/10.5度 ●ライ角/59.5度 ●ヘッド体積/460㏄ ●価格(税込)/9万6800円 ※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】●ロフト角/10.5度 ●ライ角/59.5度 ●ヘッド体積/460㏄ ●価格(税込)/9万6800円 ※すべてメーカー公表値

国産カーボンフェースのドライバー

開発に5年かけたフルカーボンフェースのつるや『アクセル GF ドライバー』を紹介する。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトは純正『GF ヴァンキッシュ for アクセル(S)』仕様。掲載数値はすべて実測値になる。

クラブ重量は283.8gと軽いが、クラブ長さが45.63 インチとやや長く、スウィングウェイトもD2.8 と大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが288万g・㎠とやや大きくなっている。この数値であれば本来はドライバーのヘッドスピードが43m/s くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。

全体に丸型形状で、時計の文字盤でいう4~5時方向の張り出しが大きい日本のつかまり系ヘッド。そして、アドレスでは61.0度と超アップライトなライ角と、フェースアングルがフック1.5度と強めのフックフェースで球をつかまえるイメージが出ている。クラウン部のフェース側に塗装がないので一見フェースプログレッション(FP値)が小さく見えて、これを含めて、つかまり感のイメージを出している。また、このヘッドの最大の特徴はフェース面がカーボンということだ。

ミスヒットに強く弾道が安定する

実際に試打すると、計測したとおり、強いフックフェースと超アップライトなライ角で球をつかまえたいイメージが伝わってくる。試打クラブのシャフトはクラブを手にしただけでたわむほど、非常に軟らかく、ヘッドスピードが35 ~ 37m/s くらいのゴルファーでもこの「Sフレックス」で十分だろう。

左右方向のヘッド慣性モーメントが5012 g・㎠と大きいため、ミスヒットに強く、低重心率が64.3
%とやや高重心設計でバックスピンも適度に入り、弾道は安定しやすい。また、同時にヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも7995g・㎠ と大きく、結果的にダウンスウィングでヘッドの返りが緩やか。ただし、先述の強めのフックフェースと超アップライトなライ角で上手く調整してあるので、球をつかまえながらストレート系高弾道が打ちやすい。

画像: スイートスポット高さは36.1ミリで、低重心率は64.3%。やや高重心設計で、バックスピンが適度に入り、弾道は安定しやすい

スイートスポット高さは36.1ミリで、低重心率は64.3%。やや高重心設計で、バックスピンが適度に入り、弾道は安定しやすい

実際にシャフトからターゲットとなるシニアゴルファーにも打ってもらったが、カーボンフェースらしくインパクト音は低めで、また、最近リアルロフト角設定が厳しいクラブが多いなかで11.8 度もあるので球は上がりやすい。普段キャリーで170~180ヤードくらいのゴルファーが高めのストレート弾道で効果的に飛距離が出ていた。フェースの反発性能に関しては、カーボンフェースよりもチタンフェースのほうが高いが、今回カーボンフェースドライバーにチャレンジしたことは評価したいと思う。

これが「アクセル GF」ドライバーの計測データだ!

フック1.5度のフェースアングル。構えてすぐにわかる強めのフックフェースで、61.0度と超アップライトなライ角との相乗効果で球がつかまるイメージが出ている。

また、リアルロフトは11.8度。表記ロフトよりも1.3度大きいリアルロフト角でフェース面が良く見えて、球が楽に上がるイメージがあり、球が上がりづらいゴルファーには最適だろう。

左右方向のヘッド慣性モーメントは5012 g・㎠と大きい。寛容性が高く、ミスヒットに強いモデルといえる。また、ネック軸回り慣性モーメントも大きく、ヘッドの返りは緩やかだが、フックフェースと超アップライトなライ角でストレート系弾道が打てる。

画像: クラブ重量は283.8gと軽く、クラブ長さは45.63インチとやや長い。クラブ全体慣性モーメントは288万g・㎠とやや大きい。

クラブ重量は283.8gと軽く、クラブ長さは45.63インチとやや長い。クラブ全体慣性モーメントは288万g・㎠とやや大きい。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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