国産カーボンフェースのドライバー
開発に5年かけたフルカーボンフェースのつるや『アクセル GF ドライバー』を紹介する。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトは純正『GF ヴァンキッシュ for アクセル(S)』仕様。掲載数値はすべて実測値になる。
クラブ重量は283.8gと軽いが、クラブ長さが45.63 インチとやや長く、スウィングウェイトもD2.8 と大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが288万g・㎠とやや大きくなっている。この数値であれば本来はドライバーのヘッドスピードが43m/s くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。
全体に丸型形状で、時計の文字盤でいう4~5時方向の張り出しが大きい日本のつかまり系ヘッド。そして、アドレスでは61.0度と超アップライトなライ角と、フェースアングルがフック1.5度と強めのフックフェースで球をつかまえるイメージが出ている。クラウン部のフェース側に塗装がないので一見フェースプログレッション(FP値)が小さく見えて、これを含めて、つかまり感のイメージを出している。また、このヘッドの最大の特徴はフェース面がカーボンということだ。
ミスヒットに強く弾道が安定する
実際に試打すると、計測したとおり、強いフックフェースと超アップライトなライ角で球をつかまえたいイメージが伝わってくる。試打クラブのシャフトはクラブを手にしただけでたわむほど、非常に軟らかく、ヘッドスピードが35 ~ 37m/s くらいのゴルファーでもこの「Sフレックス」で十分だろう。
左右方向のヘッド慣性モーメントが5012 g・㎠と大きいため、ミスヒットに強く、低重心率が64.3
%とやや高重心設計でバックスピンも適度に入り、弾道は安定しやすい。また、同時にヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも7995g・㎠ と大きく、結果的にダウンスウィングでヘッドの返りが緩やか。ただし、先述の強めのフックフェースと超アップライトなライ角で上手く調整してあるので、球をつかまえながらストレート系高弾道が打ちやすい。
実際にシャフトからターゲットとなるシニアゴルファーにも打ってもらったが、カーボンフェースらしくインパクト音は低めで、また、最近リアルロフト角設定が厳しいクラブが多いなかで11.8 度もあるので球は上がりやすい。普段キャリーで170~180ヤードくらいのゴルファーが高めのストレート弾道で効果的に飛距離が出ていた。フェースの反発性能に関しては、カーボンフェースよりもチタンフェースのほうが高いが、今回カーボンフェースドライバーにチャレンジしたことは評価したいと思う。
これが「アクセル GF」ドライバーの計測データだ!
フック1.5度のフェースアングル。構えてすぐにわかる強めのフックフェースで、61.0度と超アップライトなライ角との相乗効果で球がつかまるイメージが出ている。
また、リアルロフトは11.8度。表記ロフトよりも1.3度大きいリアルロフト角でフェース面が良く見えて、球が楽に上がるイメージがあり、球が上がりづらいゴルファーには最適だろう。
左右方向のヘッド慣性モーメントは5012 g・㎠と大きい。寛容性が高く、ミスヒットに強いモデルといえる。また、ネック軸回り慣性モーメントも大きく、ヘッドの返りは緩やかだが、フックフェースと超アップライトなライ角でストレート系弾道が打てる。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より