今季、まだ優勝のない松山英樹。ツアー選手権出場へ正念場
プレーオフシリーズまで2カ月を切るなか、"偉業達成" のためには、これからが正念場となる。トラベラーズ選手権終了時点でのフェデックスカップのポイントランクは52位。プレーオフシリーズ初戦の出場資格であるトップ70入りはほぼ確定だが、松山が目指しているのはそこではない。トップ30のみに出場が許される最終戦、「ツアー選手権」に10年連続で出場する偉業達成が目標だ。
本格デビューの14 年から昨季まで9年連続でツアー選手権に出場しているのは松山だけ。年間王者3回を誇るR・マキロイは17年に同大会への出場を逃しており、15年の年間王者J・スピースも18 年から3年間トップ30入りできなかった。
改めて振り返ると、デビューから9回連続トップ30入りした松山の戦績には目を見張るものがある。ツアー3勝を挙げた16‐17 年はレギュラーシーズンのポイントランク1位でプレーオフへ。最終的なランクは8位だったが、トップのなかのトップが集うツアーでライバルから一目置かれる存在であることは確か。
首のケガが尾を引き、体調が万全ではない今シーズンだが、出場19試合中予選落ちは2回だけ。4月以降の7試合でトップ30を外したのは全米オープンのみ(32位)。並のプロなら上々の成績だが、松山にとってはそうはいかない。
目立つのは初日の出遅れ。2日目、3日目は盛り返すが、最終日に伸ばせず後退するパターンが多い。実際データでも初日の平均スコアが88位、2日目66位、3日目20位、最終日116位となっている。初日と最終日のスコアメイクが課題といえそうだ。
プレーオフ2戦目に出られるのは上位50 名。ツアー選手権でトップ30に絞られるが、そこに入るためにはポイント加算が急務だ。
痛みはほぼないそうで、ショットやパットの感触も「あと一歩」。まずは1勝、マスターズチャンプの実力に期待したい。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月18日号「バック9」より