少し前まで女子メジャーのトップ10には韓国勢が5、6人いたが、先のKPMG全米女子プロゴルフ選手権では8位タイのジェニー・シンひとりだけ。米女子ツアーの勢力地図が変化した?
画像: 全米女子プロで2位の笹生優花。昨今の米女子ツアーでは韓国勢より日本選手たちの活躍が目立つようになってきた(2月撮影/姉崎正)

全米女子プロで2位の笹生優花。昨今の米女子ツアーでは韓国勢より日本選手たちの活躍が目立つようになってきた(2月撮影/姉崎正)

韓国勢が弱くなったのか、他の国のレベルが上がったのか?

同大会で15位タイまでの19人中、アメリカ勢がもっとも多い5人。そのなかにはプロデビュー戦でいきなり勝ったローズ・チャンが含まれている。

優勝したイン・ルオニンに加え、リン・シユの2人が中国勢。ほかは日本(笹生優花&古江彩佳)、スペイン、北アイルランド、スウェーデン、フランス、デンマーク、アイルランド、オーストラリア、イングランド、カナダなど、国際色豊かな面々が名を連ねている。

ロレックスランキング(6月29日時点)を見ると、1位は韓国のコ・ジンヨンだが、韓国人選手はトップ10内にわずか2人。

果たして韓国勢が弱くなったのか、他の国のレベルが上がったのか?

16年にゴルフが五輪競技に組み入れられたことで各国のゴルフ協会が育成に力を入れ、その成果が出ている国は多い。

日本もしかり。ナショナルチームにガレス・ジョーンズ氏を招へいし、世界で通用する選手を育成、古江や畑岡奈紗が世界に羽ばたいた。

また、欧州ツアーと提携したことは、ヨーロッパ勢が増えた要因だろう。

これまで韓国勢の強さは「家族のため」「国のため」といった精神力の部分が大きかった。自分の幸せを犠牲にして戦っている選手も多く、"ビジョン54"を主宰するピア・ニールソン氏は

「人生とゴルフのバランスに疑問がありました。長期間活躍する韓国勢が少ないのはそのせいでは?」

と指摘する。

米女子ツアー人気が低迷していた6~7年前、ワールドツアー構想を打ち出しアジアや中米、欧州の試合を増やし現在の盛況につなげたマイケル・ワン前コミッショナーの功績も大きい。

いずれにせよ戦国時代の様相を呈している米女子ツアー。日本人選手のさらなる活躍に期待したい。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月18日号「バック9」より

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