球をつかまえ過ぎないイメージが強い
ウッドで大慣性モーメント系、つかまり系、低スピン系の3モデルのラインナップを定着させたピンゴルフ。その23年モデル『G430シリーズ』の低スピン系フェアウェイウッド『G430 LST フェアウェイウッド』を紹介する。
今回はフェアウェイウッドなので試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドの番手は3W 。シャフトは純正『PING ツアー2.0 クローム65(S)』仕様。掲載数値はすべて実測値になる。
クラブ重量は318.0gと標準的だが、クラブ長さが42.5インチと短いので、クラブの振りやすさの判断となるクラブ全体の慣性モーメントが283万g・㎠に抑えられている。この数値であれば、本来はドライバーのヘッドスピードが43m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえる。
ヘッドは、ピンのフェアウェイウッドらしく縦長形状でフェース長が長く、ソール面には丸みが少ないのが特徴。シャローバック、かつフェース高さが31.5ミリとシャローフェースで、また構えたときはフェースアングルがオープン1.5度の強いオープンフェースでフェースがまったくかぶって見えない。またライ角度は57.5度とややフラットで、またバルジ(トウ・ヒール方向の丸み)がしっかりついたフェースなので、球をつかまえ過ぎないイメージが出ている。
SS位置が非常に低い低重心3W
試打クラブのシャフトは純正とはいえ、かなりしっかりしているのでインパクトの再現性が良く、ヘッドスピードが44~ 45m/sくらいのゴルファーでもこのSフレックスがいいだろう。
軽いチタン製ヘッドでソール面に約80gのタングステンウェイトを配分したため低重心になり、結果、スイートスポット(SS)高さが18.6ミリと非常に低くできているのが大きな特徴だ。これなら、ステンレス製フェアウェイウッドよりもバックスピンが少なくなる。一方では、チタン製ヘッドでソール集中の重量配分で、左右方向のヘッド慣性モーメントが2314g・㎠と『MAX』系ヘッドに比べて30%以上小さくなり、低スピンと引き換えに寛容性が犠牲になっている。
インパクト音は低めで軽い感じだが、ストレートからややフェード系が打ちやすく感じた。一般的なステンレス製フェアウェイウッドよりもバックスピンは少ないので、球の最高点は低くなり、落下角は小さく、強弾道になりやすい。しかし、元々スピンが少ないゴルファーや雨の日だと、よりスピンが少なくなりやすいので要注意。弾道安定性と低スピンとを天秤にかけながら、『MAX』か『LST』かを試打して決めることをおすすめする。
これが「G430 LST」3Wの計測データだ!
フェース角は1.5度オープン。フェースはまったくかぶってなく、57.5度とややフラットなライ角、バルジ(トウ・ヒール方向の丸み)がしっかりついたフェースなので、左に行くイメージがほとんどない。
フェース高さが31.5ミリでシャロー。ヘッド全体を見てもシャローバック、シャローフェースと重心が低くなっていて、低重心を狙った設計だということがわかる。
スイートスポット高さは18.6ミリと非常に低い。スイートスポットが低いので薄めの当たりでも芯に当たるが、低重心設計なので厚くインパクトすると球がドロップしやすい。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月25日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より