「読むゴルフ」はゴルフの"世界"を広げてくれる
全国的に梅雨が明け、いよいよ夏本番。といっても今年はもうだいぶ前から酷暑が続いているイメージですね。既に暑さに身体がダメージを受けている。疲れがたまっているという方も多いことと思います。
こういう時期には無理せず身体を休め、のんびりするのも一興かと思います。そんな時にお勧めしたいのが、「読むゴルフ」です。
ゴルフには① 『プレーするゴルフ』②『 観るゴルフ』ともう一つ、③ 『読むゴルフ』といえるものがあります。
日本では、ゴルフ関連の書籍は技術の上達をテーマにしたレッスン書がメインになっていますが、その他にも
a)ルール解説
b)マナー関連
c)名勝負物語
d)コース紹介関連
e)ゴルフエッセイ
f)名プレーヤー自叙伝
g)ゴルフ紀行
h)歴史書
i)倶楽部の年史
j)名言集
k)ゴルフギア関連
などなど、多岐に渡る分野があります。考えてみると、こんなにも多くの出版物のあるスポーツはゴルフをおいて他にはないのではないでしょうか? 一般的な書店で「スポーツ」というカテゴリーの売り場に行くと、1/3以上はゴルフのレッスン書ですのでかなりの割合です。
また、大きな書店にいくと「ゴルフ書専門」のコーナーが、しっかり設けられていてレッスン書以外の読み物もかなりの数が並べられています。それだけゴルフというスポーツが、様々な場面で、多くの人の人生に関わっているという証ともいえると思います。
自分自身の体験としては、ジュニアのころ、漫画「プロゴルファー猿」を読んで、クラブの名称や基本的なルールを覚えました。今思うとあの漫画はとても有難かったです。
その後、ゴルフ雑誌を仲間と回し読みするようになりました。トップフロの連続写真を何度も見て目に焼き付けたり、プロトーナメントのレポートを読んだり、といった形で、もっぱら自分のプレーの勉強のためにゴルフ雑誌に親しんでいました。
また、中島常幸プロのお父様の書いた著書で、一日2000発の練習をしていた逸話などに感銘を受けたりもしました。でもそのころのゴルフ雑誌には、上達をテーマにしたページだけでなく、ゴルフの歴史にまつわる読み物や、「ゴルフ川柳」、ゴルフウエアのファッションチェックなどなど、実に様々なページがあって、子供心にも、そういう世界もあるのか、と感心した覚えがあります。
そう、ゴルフにはプレーをして楽しむ、技術を習得する、という以外にゴルフという文化全般を書籍によって味わう、という「読むゴルフ」という楽しみ方があるのです。
私はゴルフエッセイの大家、夏坂健氏の作品が好きで、ほぼ全作品を所持しています。氏の作品からは、本物のゴルファーとはどうあるべきか、ということを学びました。また、本場スコットランドのリンクスへの憧憬も夏坂氏の描写が原形となっています。
他にもボビージョーンズの名著「ダウン・ザ・フェアウェイ」からはフェアプレーの精神を学び、マイケル・マーフィーの「王国のゴルフ」ではオカルト的なゴルフへのアプローチにも遭遇しました。
もちろん、技術書関連でもためになったものは沢山あり、中村寅吉プロや永井延宏プロ、日蓮宗の僧侶であるゴルフジャーナリスト、三田村昌鳳氏の著作にも大変影響を受けました。
最近では、日本のアマチュアゴルファーの祖とも言える赤星四郎、六郎兄弟をテーマにした「赤星家のDNA」という著作をとても興味深く読みました。日本のゴルフ黎明期の雰囲気をリアルに感じられる好著でした。
ゴルフは本当に様々な角度からのアプローチが可能で、人それぞれ、実に様々な楽しみ方を見出すことができると思います。
たとえプレーがなかなか上達しなかったり、病気やケガで満足にプレーができない状態になったとしても、「ゴルフ」に楽しみを見出すことは十分できます。「読むゴルフ」がきっと皆さんのゴルフの世界を広げてくれることでしょう。