既にPGAツアーでは続々と実戦投入されているタイトリスト「Tシリーズ」アイアン。最新4モデルをコースで試打し、カメラ式のGC4でデータ計測したレポートをお届け!

新「Tシリーズ」アイアンは「T100」、「T150」、「T200」、「T350」という4つのラインナップに変わり、バックフェースにタイトリストの大きなロゴが入ってまるでマッスルバックのモデルのような佇まいになりました。このタイトリストらしいデザインは多くのゴルファーの高評価を得るでしょうね。

画像: タイトリスト新「Tシリーズ」アイアン、左から「T100」、「T150 」、「T200」、「T350」

タイトリスト新「Tシリーズ」アイアン、左から「T100」、「T150 」、「T200」、「T350」

「T100」は7番のロフト角34度、「T150」は32度、「T200」は30.5度、「T350 」は29度とモデルによってロフト角の違いがあります。また、それだけでなくフェースの長さや大きさ、ソール幅などによって、それぞれのモデルに持たせた性格が見えてきます。

画像: フェースの大きさだけでなくソール形状もモデルごとに異なる(左から「T100」、「T150 」、「T200」、「T350」)

フェースの大きさだけでなくソール形状もモデルごとに異なる(左から「T100」、「T150 」、「T200」、「T350」)

「T100」も含めて全モデルに共通するのは複合素材を採用したコンポジット構造。さらに、それぞれのモデルに合わせて最適な位置に重量を配分したり、素材を選ぶことで、さまざまなプレーヤーにとって最適な飛距離や弾道の高さ、グリーンで止められてスコアメイクに役立つモデルを選べるようになっています。

「T100」はコンパクトで操作性抜群のスピン量を確保

ジャスティン・トーマスやキャメロン・スミスが投入する「T100」。PGAツアーでは他にも多くの選手が実戦投入しています。バックフェースは大きく変わりましたが、構えてみるとそこまでの大きな変化は感じられません。実はこの構えたときに大きな変化を感じさせずに球の前後左右のバラつきが向上しているからこそ、ニューモデルへの移行がスムーズにできることにつながります。

違和感なく構えられ、打ってみたら弾道やスピン量、コントロール性が上がっていればすぐに実戦投入してみたくなるものです。タイトリストは使用率1位を続けるボール「プロV1・プロV1X」だけでなくアイアンも使用率1位を続けていますが、新モデルに移行しやすいのは、ツアーからのフィードバックを元に開発しているからこそだと思います。

画像: 「T100」は高精度のCNCフェースミーリングで平面精度と重量管理を徹底した

「T100」は高精度のCNCフェースミーリングで平面精度と重量管理を徹底した

前作のモデル名を引き継ぐ「T100」は、4モデルの中で最もスピン量が多く、打ち出し角が高く落下角度も大きくなるモデル。シビアなピン位置を狙い、硬く速いグリーンでもしっかりとボールを止められる性能を持ち合わせています。

T100の7番アイアンで打った数値は以下
初速48.7m/s 打ち出し角18.4度 スピン量6899rpm 落下角度45.5度 キャリー149ヤード

「T150」はソール形状が「T100」とは異なるロフト角32度(7番)

7番のロフト角が32度という現代のスタンダードを採用した「T100S」の後継モデルになる「T150」ですが、「T100」とは異なるソール形状を採用することで、単にロフトを立てたモデルではないことを「T150」というネーミングからも見て取れます。

7番で180や200ヤード近くも飛ばせる選手が増えてきたPGAツアー。マッスルバック全盛の頃のロフト角34度(7番)から、キャビティバックやタングステンなど複合素材を組み合わせた構造の32度で育った世代も多いので、飛距離も含めてロフト32度が当たり前になっているようです。

画像: 「T150」も「T100」同様にCNCミーリングフェースや溶接点をなくすロウ付けにより高い精度を持つ

「T150」も「T100」同様にCNCミーリングフェースや溶接点をなくすロウ付けにより高い精度を持つ

打ってみると、「T100」と変わらない打感のままスピン量がやや少なく飛距離も出ます。そしてしっかりと落下角度が確保され、グリーンで止めることができました。「T100」に比べてトウ側の幅が広いソール形状の違いは、抜けの良さとして感じられました。多少のミスヒットもカバーしてくれる懐の広さを持つ「T150」はプロや上級者にとって興味をそそられるモデルになりそうです。

PGAツアーの多くの選手が「Tシリーズ」のアイアンをコンボにしてセッティングしていますが、例えば「T100」を6番まで、5番を「T150」といったセッティングも大いにアリだと思います。

PWのロフトは44度なので、48度のWを組み合わせたり50度のギャップウェッジを入れ、SWに56度や58度をセッティングすることも考えられます。

T150の7番アイアンで打った数値は以下
初速48.5m/s 打ち出し角18.1度 スピン量6555rpm 落下角度45.1度 キャリー152ヤード

「T200」は打感の良さ、フォルム、球の高さが手に入るロフト30.5度(7番)

「T200」は「T100」や「T150」とは仕上げも変わり、ぐっとやさしく感じるモデルではありますが、その打感のやわらかさには驚かされました。誰が打っても「自分に合っているのはT200なんじゃないか?」と思わされるくらいのやさしさと飛距離、弾道の高さのバランスを持ち合わせていました。

画像: 「T200」はフェースの広範囲で感じる打感の良さ、「T100」「T150」と同じブレード長とオフセットによって違和感のないコンボが可能

「T200」はフェースの広範囲で感じる打感の良さ、「T100」「T150」と同じブレード長とオフセットによって違和感のないコンボが可能

「T150」よりも少し飛んで、スピン量も少なくなりますが、フェースを少し大きくしてあることでミスヒットの寛容性はさらに高まり、短いネックからも想像できる低重心による球の上がりやすさも感じられました。

4モデルのフルセットをコースに持ち込み18ホールをプレーしながら、様々な状況から打ち比べましたが、「T200」の持つカッコよさとやさしさのバランスは多くのゴルファーに受け入れられるでしょう。

「T200」のロフトはPWで43度になるため、48度のWまで組み合わせることができます。そうすると52-58度のウェッジを使用していればそのまま距離の階段は揃えられそうです。

T200の7番アイアンで打った数値は以下
初速49.5m/s 打ち出し角18.2度 スピン量6193rpm 落下角度44.1度 キャリー156ヤード

「T350」は4モデルの中で最も広いスウィートエリアでシンプルに打てる29度(7番)

前作の「T300」から「T350」となりタングステンウェートの配置や強化されたボディ剛性など大きく進化したといいます。ややグースネックでスウィートエリアの広さとブレの少ない直進性の高さは、打点の揃わないプレーヤーやヘッドスピードの遅いプレーヤーにとって大きな味方になってくれるでしょう。

「T350」も弾きの強いフェース素材や製法を取り入れているにもかかわらず驚くほどに良い打感です。ダウンブローはそれほど必要なくサラッと打つと高さも距離も出てくれますので力まず打てる安心感があります。

画像: 「T350」は「T200」よりも大きめのヘッドサイズを持ち、より高い許容性を持つ

「T350」は「T200」よりも大きめのヘッドサイズを持ち、より高い許容性を持つ

PWのロフトは43度で48度のWと53度のWまで組み合わせることができます。この53度のWをグリーン周りで使用してみると、驚くほど簡単にピンに寄せることができました。セットウェッジの良さは、技を必要とせずシンプルに打てるやさしさだと改めて感じました。

T350の7番アイアンで打った数値は以下
初速49.9m/s 打ち出し角17.4度 スピン量5814rpm 落下角度43.7度 キャリー161ヤード

他にも「U505」と「T200」のユーティリティアイアンもラインナップされ、アイアン型ユーティリティを好むプレーヤーはチェックをお忘れなく!

画像: 画像は4モデルを試打計測したデータ。表示のT100SはT150 、T300はT350 を試打したもの。ロフトや構造の違いがボール初速や飛距離に現れているがどのモデルも落下角度は確保されている

画像は4モデルを試打計測したデータ。表示のT100SはT150 、T300はT350 を試打したもの。ロフトや構造の違いがボール初速や飛距離に現れているがどのモデルも落下角度は確保されている

4モデルを打ち比べてみると、タイトリストが考えるスコアメイクの肝となる飛距離や方向性のバラつきを抑えること、グリーンで止まる落下角度を確保することが、モデルごとに確立されていて、あらゆるプレーヤーの選択肢が広がるラインナップになっていました。

モデル違いを組み合わせて自分だけのコンボアイアンをセットするも良し、通しで揃えて腕を磨くのも良し、と新しくなった「Tシリーズ」アイアンは、要チェックなモデルに仕上がっていました。

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