大学に進学せずに厳しいプロの世界へ飛び込んだ21歳
スコアをポイントに換算するステーブルフォード方式が採用された大会で、P・ロジャースと40ポイントで首位に並んだバティア。新進気鋭の21歳と元スタンフォード大のスターで31歳のロジャースとの新旧対決となったサドンデス1ホール目。ロジャースのティーショットはディボット跡につかまり、ボギーを叩いてツアー初優勝はお預けに。タップインパーをセーブしたバティアが栄冠に輝いた。
「言葉になりません」と初勝利の感慨に浸った21歳。17歳でプロ宣言してから常に注目を集めてきた未来のスター候補だが、「これまでたくさんの浮き沈みを経験してきた」と激動の日々を振り返った。
中学の頃から決めていた「高校を出たらプロになる」夢を具現化させ、大学には進学せずに厳しいプロの世界へ飛び込んだ。そしてコーンフェリーツアーのメンバーとしてシーズンをスタートさせた今年、レギュラーツアーのプエルトリコオープンで単独2位に入って特別テンポラリーメンバー(一時会員)の資格を獲得した。
「厳しい道のりでしたが、いつかこういう日が来るのはわかっていました」。ショットに絶対的自信を持つバティアは、課題だったパットの向上が勝因と分析。「ここ数週間、2メートル以内のパットを外していません。3パットもなかった」
テンポラリーメンバーになったとき、「出たい試合すべて出られるなんて子供の頃からの夢が叶った」と喜びを口にしていたが、優勝したことで今度はより大きな目標に向かって進めるとバティアは語った。
「もっと勝ちたい。そしてプレーオフシリーズに出てポイントランク50位以内に入りたい。ゴルフが大好きでPGAツアーが大好き。着々と夢が叶っているのを実感します」
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月15日号「バック9」より