「先週は良く入っていたのに……」誰もが悩むのがパットの好不調問題。永遠の課題、"パット力”を上げる秘訣を河本力のパッティングコーチ、丸山颯太プロが教えてくれた。
画像: まるやまそうた。1999年12月生まれ。福井工大ゴルフ部時代に同校ゴルフ部のコーチだった黒宮幹仁と出会い、プロコーチの道へ。河本力のパット専門コーチを務めつつ、アマ指導も行う

まるやまそうた。1999年12月生まれ。福井工大ゴルフ部時代に同校ゴルフ部のコーチだった黒宮幹仁と出会い、プロコーチの道へ。河本力のパット専門コーチを務めつつ、アマ指導も行う

まず大切なのはヘッドを"綺麗に"置くことだ

画像: 「ライ角通り」「ロフト通り」にパターヘッドを置くことが重要なポイント。トウが浮く、ロフトが寝ると左を向くし、ヒールが浮く、ロフトが立つと右を向いてしまう

「ライ角通り」「ロフト通り」にパターヘッドを置くことが重要なポイント。トウが浮く、ロフトが寝ると左を向くし、ヒールが浮く、ロフトが立つと右を向いてしまう

入るときはアッサリ入るのに一度入らなくなると……。そんな“波”に悩む人は多いはず。最大の理由は“再現性の低さ”にあると新進気鋭のパット専門コーチ、丸山颯太は断言する。

「その原因は『向けていない』ことです。アマの方のレッスンをしていて感じるのですが、1メートルですら正確に目標を向いている人は少ないです」

聞けばツアープロでさえ正確に目標を向ける選手は上位のひと握りだそう。でもそれがなぜ再現性に影響するのだろうか。

「特に左を向くケースが多いですが、そのまま打つと左へ行くことから右に振るようになります。『スライスラインが苦手』という話をよく聞きますが、左を向いて右に振るとインパクトでフェース面も右を向きやすく、球がつかまらないのです」

元凶はアドレス時に起こるフェース向きのズレ。ちまたに出回る練習器具の多くは真っすぐ打ち出すことに特化しており、これでは狂ったアライメントを軌道や当て方で修正した"ニセ真っすぐ"の練習をしているにすぎず、再現性は上がりにくい。

「真っすぐ打とうとする前に、フェースがしっかり目標を向いているか。これがスタートであり、一番重要なポイントです」

結局、軌道やインパクト時のフェース向きなど、ストロークのエラーの多くは、スクエアに立てていないことが原因。真っすぐ立たずにストロークだけを直すのは本末転倒ということだ。

フェース面を合わせたら"上から順”に構えを作る

画像: 手のひらをまっすぐ合わせ、腕のポジションが崩れないようにグリップ→フェース面と背骨のラインが揃うように胸をクラブに真っすぐセット→最後に腰の向きを合わせる。ひざの位置を揃えることで骨盤がターゲットラインに揃う

手のひらをまっすぐ合わせ、腕のポジションが崩れないようにグリップ→フェース面と背骨のラインが揃うように胸をクラブに真っすぐセット→最後に腰の向きを合わせる。ひざの位置を揃えることで骨盤がターゲットラインに揃う

目標にフェースを合わせたら、次はフェース面に対しスクエアに構える。丸山が「パットが上手い」と感じる選手の多くは、フェースとスタンスの「真っすぐ×真っすぐ」な関係をとても大事にしているという。ではスクエアに構えるコツとは?

「構えを作る“順番”です。よくアマの方で見かけるルーティンで、クラブをサッと置いてスタンスを作り、カップを確認して向きを調整する方法がありますが、これだと肩や胸が左を向きやすく、いざ構えると違和感を覚えやすい。あらかじめアドレス時に決めていた"打ち出したいところ"に対し、肩や胸が左を向いたことで、『かなり右に打ち出さなければ通らない』と感じ、体の向きに対してどんどん押し出すようなストロークになります。フェースに対し、腕→胸→骨盤の順番で合わせていき、スタンスは最後に決めることで全身を正確にフェース面に合わせやすくなり、スクエアな構えを作りやすくなります」

スクエアな構えを作り、スクエアに振る。これが再現性を高める最大のキモというわけだ。

画像: 特にアマは構えたときに胸や肩が左を向きやすいと丸山。どうしても左を向いてしまう人は、クラブを置く手を左にするのも良い。「左手から構えることで特に肩が左を向きづらくなります」

特にアマは構えたときに胸や肩が左を向きやすいと丸山。どうしても左を向いてしまう人は、クラブを置く手を左にするのも良い。「左手から構えることで特に肩が左を向きづらくなります」

振るときに忘れてはいけないのが"安定“部分と"稼働"部分

画像: 足を固定し、胸を積極的に動かすことが大切。"安定(固定)"部分は、頭、お尻、ひざ。"稼働"部分は肩と胸だ

足を固定し、胸を積極的に動かすことが大切。"安定(固定)"部分は、頭、お尻、ひざ。"稼働"部分は肩と胸だ

スクエアな構えが完成したら次はスクエアなストローク。ここでいうスクエアとは、ターゲットラインに対し、左右対称なイン・イン軌道を描くという意味だ。大切なポイントは?

「ずばり"安定"と"稼動"です。体のどこを動かして、どこを安定(固定)させるかということがパッティングでは大切ですが、これらの役割が反対になっている方がほとんどです」

"安定" のエラーで多いのが頭が動くケース。ヘッドを目で追うと起こりがちだが、軸が傾くと当然軌道は安定しづらい。さらにフェース向きもブレやすいので禁物だ。また、お尻やひざが動いて、左右にスウェイするケースも多いが、軸が左右にブレることでロフトが安定せず、球の転がりに大きく影響してくる。

安定させるべきは頭・お尻・ひざで、稼動したいのは肩と胸だが、ストローク中に頭や下半身が動いたり、逆に胸は動かず手だけで振る人は多い。

「初心者の方にまず話すのはそこですが、中上級者からパットの上達法を聞かれても、結局はこの話になることがほとんど。『自分は違うよ』という方でも胸が動かないからひじを動かす方は本当に多く、両わきでタオルを挟んで振ってもらうと、すぐ『動きが違う!』となります」

さらに「体を動かしすぎないように意識すると肩と胸が止まり、ひじで振ろうとしてしまうケースも多いんです。どうしても腕の動きが勝つ人は、胸にグリップエンドを着けてクラブヘッドを動かしてみてください」と丸山。こうすれば短いパットでも、いかに肩と胸を使ってストロークするかが理解できるという。

"スタート直前3分チェック"で「真っすぐ」を作ろう

画像: 1.5mおきにボールを並べ、中央のボールがズレて見えたら"立てていない”証拠。1.5m間隔で並べる理由は、これくらいの距離からズレはじめることが多いからだと丸山はいう

1.5mおきにボールを並べ、中央のボールがズレて見えたら"立てていない”証拠。1.5m間隔で並べる理由は、これくらいの距離からズレはじめることが多いからだと丸山はいう

最後に、河本力プロもスタート前に5~10分ほど実践しているというドリルがこちら。

「1・5メートルおきにボールを3つ、真っすぐ並べてください。一番端のボールに対して構えたとき、1つ先のボールがズレて見えていたら、目線か体の向きにズレが生じている証拠です。ただ、ストロークに癖がある方ほどズレて見える確率は高いので、そういう人には普段からこの練習をすることを勧めています。ズレ具合が本当にひどい方の場合は、構えたボールの後ろにも2、3個ボールを置くと良いです。片山晋呉さんはこれをショットのときにやっているのを見たことありますが、さすがだなと感じました」

ストロークばかり気にしがちなパットの悩みだが、実はセットアップに問題があるケースがほとんど。この夏、ひと皮むけるために、ぜひ取り組みたい。

PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/ぎふ美濃ゴルフ倶楽部

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月15日号「ど真ん中パット力レッスン」より

This article is a sponsored article by
''.