ゴルフの上達を目指すゴルファーにとって役立つ情報を発信する「みんゴル・ゴルファー応援隊」。その隊長に就任したシングルプレーヤー・マツケンが上達のヒントになることを紹介。今回はゴルファーアならつい口にしてしまいがちな「言いわけ」がテーマです
画像: たとえ嘆きたくなる事態が起きても、できるだけ口には出さず、可能な限りポジティブに対処することが大切だ(写真はイメージ)

たとえ嘆きたくなる事態が起きても、できるだけ口には出さず、可能な限りポジティブに対処することが大切だ(写真はイメージ)

「言いわけ」はプレーが上手くいかなかった時の保険のようなもの

今回はゴルフの「言いわけ」について考えていきたいと思います。

言いわけといえば、その日のプレーが不調に終わった言いわけ、など、プレー後に口にするものがほとんどかと思いますが、プレーに悪影響が出やすく注意したいのが、プレーの前に口にする「言いわけ」です。

「昨日は仕事で遅くなって寝不足だ」「ちょっと腰を痛めていて、ちゃんと振れるかわからない」
「昨日のレッスンでスウィングがわからなくなった」などなど、スタート前に声高に「言いわけ大会」が始まっていたりします。

こうした言いわけは、その日のプレーが上手くいかなかった時の「保険」のようなもの。ゴルファーのプレー前の不安な気持ちがその発言に見てとれます。そうした気持ちもわからないでもありませんが、その日プレーすると決めたのなら、言いわけは口にせず、ポジティブな気持ちでプレーしたいものです。

日本のゴルフ黎明期に日本オープンにアマチュアとして優勝した名ゴルファー、赤星六郎は、アメリカ留学から帰国して、日本のゴルファーに接してみて、そうした言いわけを言うゴルファーの多いことに驚き、残念に思ったそうです。

赤星氏は、「いかにコンディションが悪かったにせよ、いかなる事情に条件づけられたにせよ、一度トーナメントに出場したならベストを尽くし、勝って奢らず、負けて恥じず、虚心坦懐、一切の弁解をせざるもの。これが真のスポーツマンシップである」という名言を残しています。

全ての事象を「あるがまま」に受け入れることが肝心だ

赤星氏は当時、プロゴルファーたちが教えを乞いに来るほどの名プレーヤーでしたから、この発言も競技ゴルファーに向けた叱咤激励のものだったと思いますが、どんなレベルのゴルファーでも、グッドプレーを目指すなら、プレー前に色々と言いわけを用意してしまう、弱い心に支配されないように気をつけたいものです。

プレーの前に「言いわけ」を用意してしまうと、実際のプレーで、ミスが出たり、スコアが思うようにまとまらなかったたりした時に、「ああ、やっぱりダメか」という落胆や、諦めの気持ちが先に立つようになってしまいます。こうなると集中力を保つのは難しく、いわゆる負の連鎖から脱するのが余計に難しくなってしまいます。

ゴルファーにとって不都合な事態は多々起こりますし、体調や精神状態など、万全なコンディションでプレーできる日のほうが少ないかも知れません。また、その日のプレーが大切なものであればあるほど、不測の事態が次々と発生したりします。

それでも、そのことを自分がうまくプレーできない可能性と結び付けて考えたり、不安な気持ちを募らせたりすることは、自分自身を追い込むことになります。そしてそれを安易に口に出し、他人に伝えてしまうと、どこかで心が緩み、これからのプレーに対する失敗の「予告」とさえなってしまいます。

私自身はそんな時、こんなふうに考えるようにしています。「あるがまま。起こった事態を全て、あるがままに受け入れ、その時々でのベストを尽くす」。

ゴルフであるがまま、というとボールのライを改善せずに、そのまま打つということが頭に浮かぶかと思いますが、「あるがまま」は、自分のコンディションや、置かれた状況、その日の天候や、同伴競技者など、全ての事象を「あるがまま」に受け入れる。前夜の深酒や、思いもよらぬ事故渋滞、苦手な相手との組み合わせ、などなど、全てを受け入れて善処する。そんなふうに考えるのです。そして、心の中では、そうした事態を嘆くことがあってもできるだけ口にせず、自分のなかで可能な限り、ポジティブに対処することを心掛けるのです。

ちょっと大げさな話に感じるかも知れませんが、集中力を欠いたプレーや、投げやりな態度でプレーする方は周りのプレーヤーにも悪い影響を与えることになります。せっかくの楽しいゴルフ。気持ち良く一日を過ごすためにも、言いわけは心の中にしまって、笑顔で、あるがままを楽しむ。少しでもそんなふうに考えてもらったら、と思います。

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