今年の日本列島は最高気温が40度近い地点が続出、“災害級の暑さ”が続く。そんななかでも「ラウンドしたい」というゴルファーに向けて暑さ対策グッズを、普段はインドア練習場でレッスンをしている鈴木悠介プロと夏の暑さが苦手という澄川愛プロが実際にコースで試して採点評価した。

ファンで冷やす服 VS 冷水を巡らせる水冷服

画像: ザムスト アイス&チャージベスト(2万7800円/左)とプロギア AIR COMPO半袖タイプ(2万460円/右)。テスターは鈴木悠介プロ

ザムスト アイス&チャージベスト(2万7800円/左)とプロギア AIR COMPO半袖タイプ(2万460円/右)。テスターは鈴木悠介プロ

ファン付き服はプロギアのAIR COMPO半袖タイプ(2万460円)。ファンで外気を取り込み、衣服内にこもった熱や湿気を排出することで空気を循環させ、炎天下でも快適に過ごせると、ここ数年で街中でもよく見かけるようになった灼熱対策ウェアだ。ゴルフメーカーも注目し、プレー用に開発した製品が登場している。「多少空気によって膨らみますが、風量を調節できるのであまり気にならないで動きやすい。そのままでも涼しいですが、衣服用冷却ミストをインナーに吹きかけておくと、風の循環でさらにひんやり感がアップします」(鈴木プロ)。連続使用時間は強モードで約8時間。

水冷服はザムスト製アイス&チャージのベストタイプ(2万7800円)。タンクに少量の水と凍らせたペットボトルを入れてバッテリーをONにすると、内側のホースに冷水が流れて体を冷却してくれる。「氷水の冷たさが上半身を巡るみたいで気持ちいい。冷却効果は群を抜いていると思います。若干、肩甲骨が動かしにくくなりますが、フルスウィング以外は、それほど気になりません。音も静かです」(鈴木プロ)。連続使用時間は約7時間。

画像: 水冷服は背中のタンクに水と凍らせたペットボトルを入れて使用(左)。ファン付き服は腰に付けたコントローラーで風量調節できる(右)

水冷服は背中のタンクに水と凍らせたペットボトルを入れて使用(左)。ファン付き服は腰に付けたコントローラーで風量調節できる(右)

鈴木プロに、①実用性(5点満点)、②動きやすさ(5点)、③持続性(5点)、④涼しさ(5点)、⑤コスパ(5点)の合計25点満点で採点してもらった。半袖ファン付き服は、①実用性4点、②動きやすさ4点、③持続性5点、④涼しさ4点、⑤コスパ3点の合計20点。ベスト水冷服は、①実用性3.5点、②動きやすさ3.5点、③持続性4.5点、④涼しさ5点、⑤コスパ4.5点の合計21点。肝心の涼しさが満点の水冷服に、僅差ながら軍配が上がった。

長袖インナー、ワークマン VS ドン・キホーテ

なぜ長袖での対決としたか、鈴木プロにその理由を聞いた。「吸汗速乾性に優れたインナーは汗を吸収して乾く際に、気化熱によって温度が下がるので、半袖やノースリーブよりも、結果的に涼しく感じられからです。汗でポロシャツが体にまとわりつく不快感が軽減されるのでスウィングしやすいメリットもあります。長袖はべたつかないだけでなく、直射日光が当たらないので疲れにくく、紫外線対策にもなります」

画像: ドン・キホーテのインナー(左)とワークマンのインナー(右)。「ドンキは体にフィットして接触冷感素材が気持ちいいです。ワークマンは風が吹くたびにひんやり、お持ち帰りしたいです」

ドン・キホーテのインナー(左)とワークマンのインナー(右)。「ドンキは体にフィットして接触冷感素材が気持ちいいです。ワークマンは風が吹くたびにひんやり、お持ち帰りしたいです」

まずはドン・キホーテの接触冷感コンプレッション長袖インナーProduced by TMW(1990円)から。「フィット感を大事にするゴルファーにはとくにオススメ。着脱はちょっと窮屈ですが、着てしまえばピタッと肌にくっつき、接触冷感素材で涼しい」。鈴木プロによる灼熱対策インナーとしての採点は①実用性4点、②動きやすさ5点、③涼しさ持続性4点、④涼しさ4点、⑤コスパ4点で21点。

次にワークマンのCOOL CORE冷感長袖ミドルネック(1900円)。「両わきや上腕にメッシュ素材が使われ、ドン・キホーテよりも素材が薄いので風通しがいいです。汗が出れば出るほど涼感を得られるので、着続けることで効能が発揮されるインナーです」。採点は①実用性4点、②動きやすさ4点、③涼しさ持続性5点、④涼しさ5点、⑤コスパ4点で22点となった。

熱中症予防に効果的。「首周りを冷やす」アイテム3選

首元には血液を循環させる太い血液が通っていて、さらに皮膚が薄いため血管を冷やしやすい。ここを冷やすと、冷えた血液が体を巡って熱中症予防につながる。値段も手ごろで、プレーしながら首周りを冷やせる3アイテムを澄川プロに使用してもらい評価した。

画像: マンシングウェア クーリングネッククーラー(3630円)。澄川プロの評価は25点満点の18点

マンシングウェア クーリングネッククーラー(3630円)。澄川プロの評価は25点満点の18点

マンシングウェア クーリングネッククーラー(3630円)。水に濡らすことで起きる気化熱作用でクーリング効果が得られるベルオアシスを採用しているとのこと。「首に沿った形なのでまったく気にならず動きやすいです。水に濡らして振れば、何度もひんやり感が回復します。ティーのわきで水道の蛇口を見つけるたび、濡らして使うと本当に暑さがしのげます」(澄川プロ)。①涼しさ3点、②使い勝手4点、③携帯性4点、④持続性4点、⑤コスパ3点の合計18点。

画像: THANKO ネッククーラーEvo専用バッテリー同梱モデル(4440円)。澄川プロの評価は25点満点の19点

THANKO ネッククーラーEvo専用バッテリー同梱モデル(4440円)。澄川プロの評価は25点満点の19点

2つ目は、THANKO製ネッククーラーEvo専用バッテリー同梱モデル(4440円)。小型冷蔵庫にも使われる「ベルチェ冷却」という素子に電気を流すことで生じる、冷却現象を利用。スイッチを入れるとプレート部分が冷たくなり、冷たいペットボトルを首に当てているような感覚に。「歩いているときに当てる場所を少しずつ変えると、より体が冷やされる感覚があります。スウィングしていても邪魔にならないし、音も静かです」(澄川プロ)。最長連続稼働は約10時間。①涼しさ3点、②使い勝手4点、③携帯性4点、④持続性4点、⑤コスパ4点で合計19点。

画像: COVER WORK×COOL CORE EXTRA COOLING TOWEL(1419円)。澄川プロの評価は19点だが、ゴルフ場ごとにドレスコードを確認してからの使用がよさそうだ

COVER WORK×COOL CORE EXTRA COOLING TOWEL(1419円)。澄川プロの評価は19点だが、ゴルフ場ごとにドレスコードを確認してからの使用がよさそうだ

3つ目は、COVER WORK×COOL COREのエキストラクーリングタオル(EXTRA COOLING TOWEL/1419円)。濡れた状態で3~5秒振るだけで生地の表面温度が急激に低下。「冷たくなくなっても、振れば戻るので手軽です。ただしゴルフで考えると、首に巻いているタオルはドレスコード的にNGになりそうです」(澄川プロ)。澄川プロが指摘するとおりスタート前にマスター室等で、熱中症予防に首に巻いて問題ないか確認したほうが良さそうだ。①涼しさ4点、②使いが手3点、③携帯性4点、④持続性4点、⑤コスパ4点の合計19点となった。

送風機、ミスト…暑さ対策の乗用カート発見!

最後は、番外編として灼熱対策の乗用カートの情報。全国102のPGMコースで導入されている送風機付きカートCOOL CARTは、強力な送風機が付いていて、風が顔に当たって爽快。風量は車のエアコンをMAXにしたときよりもはるかに強力で、一度体験するとリピートするゴルファーがほとんどというのも納得の効果。ただし、各コースとも数に限りがあり、この時期はすぐに予約で埋まってしまうため予約が必至。PGMのコースを回る際は、確認してみよう。

画像: PGMのゴルフ場で導入が広がる送風機付きカートCOOL CART:送風機は各席に1台設置され、風量や送風方向は簡単に調整可能

PGMのゴルフ場で導入が広がる送風機付きカートCOOL CART:送風機は各席に1台設置され、風量や送風方向は簡単に調整可能

埼玉県のこだまゴルフクラブではミストカートを全車導入。カート後方にペットボトルがセットしてあり、ボタンを押すと30秒ミストを噴射。気化熱を利用し、カートの内外で5度ほど温度差が生まれるという。9ホールでペットボトルが空にならない量を入れてあるので、何度噴射ボタンを押しても安心。

画像: 気化熱効果で温度を下げるこだまGC(埼玉県)のミストカート

気化熱効果で温度を下げるこだまGC(埼玉県)のミストカート

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月15日号より(PHOTO/Akira Kato、THANKS/PGM南市原ゴルフクラブ)

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