プロコーチと週刊GD編集部が選んだ「今見るべき7人のスウィング」を4回に分けて解説。今をときめくショットメーカーは、どう振り、球を飛ばしているのか? 正面に加え、背中側からの連続写真を読み解くことで、これまであまり語られることのなかった“細部の動き”を多角的に検証。初回はファウラーとマキロイをツアーコーチの阿河 徹プロが解説する。
画像: マキロイの「インーアウトへの振り抜き」やファウラーの「肩を"縦"に使いインから下ろす切り返し」などを飛ばしの参考にしよう

マキロイの「インーアウトへの振り抜き」やファウラーの「肩を"縦"に使いインから下ろす切り返し」などを飛ばしの参考にしよう

リッキー・ファウラーは、“上から下”の出力パターンがみどころ

昨秋、コーチのジョン・ティラリーと別れ、かつて師事していたブッチ・ハーモンの元へと戻ったファウラー。

「ティラリー時代との違いで注目したいのが"切り返し後の右肩の高さ"です。現在は右肩のポジションが高く、これは肩を縦に使うことで、上から下へ圧をかけようとしている証拠。ティラリー時代は下半身主導で、いわば”下から上"の力の放出パターンを目指したように見えますが、合わなかったんでしょう。

画像: トップから切り返し後の右肩の高さ(写真右)がポイント。右肩のポジションが高く、肩を"縦"に使うことで、上から下へ圧をかけることができる

トップから切り返し後の右肩の高さ(写真右)がポイント。右肩のポジションが高く、肩を"縦"に使うことで、上から下へ圧をかけることができる

そもそもデビュー当初からリッキーは"上から下"でした。ただ、肩を縦に使うほど軌道はアウト ーイン傾向になるため、トップで肩を思い切り回し、切り返し後に右ひじを体側部の後ろへ収めることでインからクラブを下ろしています。ここは皆さんのお手本ポイントですね」(阿河プロ)

画像: 2020年のスウィング。前コーチ時代は"下から上"だった

2020年のスウィング。前コーチ時代は"下から上"だった

1年前のスウィングを見てください。

以前は下半身主導でパワーを下から上に放出していました。

「この動きが悪いわけではなく、むしろ現在、多くの選手が採用しているパターンです。ただ、ファウラーには合わなかったんでしょう」(阿河プロ)

ローリー・マキロイは、左を向いて右へ打つから飛ぶ

画像: トップでは、骨盤はその場で回転し、インパクト直前(写真右)まで軸は一切傾かないのが、マキロイの飛ばしの原動力だ

トップでは、骨盤はその場で回転し、インパクト直前(写真右)まで軸は一切傾かないのが、マキロイの飛ばしの原動力だ

現在、ダントツで"世界一のスウィンガー"と阿河が断言するのがマキロイ。

「基本的な動きはデビュー当時から変わりませんが、最も違うのはスウィングが”締まった”こと。以前はトップやフィニッシュで少し遊びがありましたが、今はビタッとトップが決まり、そこからよどみなくフィニッシュまで向かっています。これはフィジカルの強さに起因しているのでしょう。

大きな特徴は、左を向いたアドレスと、トップでのカッピング(左手首が甲側に折れること)、そしてインーアウトへの振り抜きです。左を向いて右にプッシュすることで球が高く、なおかつスピンも少ない。歳を重ねるごとに飛距離を伸ばしている理由はこれでしょう(マキロイは先日、自己最長距離の427ヤードを記録した)」(阿河プロ)

画像: アイアンショットの場合は、右ひじが体から外れない

アイアンショットの場合は、右ひじが体から外れない

阿河が絶賛するのは、この動きは“ドライバー限定”だということ。

「アイアンの場合、ダウンスウィングで右ひじが体側部にピタリと付き、ヘッド軌道はスクェア。精度を重視する表れです」(阿河プロ)

PHOTO/Yasuhiro JJ Tanabe、BlueSkyPhotos

THANKS/井山ゴルフ練習場

※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日合併号「この夏見るのはこの7人! 背面&正面最新連続写真大特集」より

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