全米アマチュアゴルフ選手権でボビー・ジョーンズが持っていた最年少メダリストの記録を、16歳の少年が103年ぶりに更新した。

若い世代のゴルファーが、タイガー・ウッズの記録と対比されることはよくあるが、100年以上前のレジェンドの記録と比較されるのは珍しい。ここに登場するテネシー州出身16歳のブレイズ・ブラウンくんは、先の全米アマで大会2日目までのストロークプレーをトップで通過。生涯アマチュアを貫いた伝説の球聖ジョーンズの最年少記録を塗り替え、メダリストに輝いた。舞台はA・パーマーが初めて全米オープンを制したコロラドのチェリーヒルズCC。

画像: 全米アマチュア史上最年少メダリストとなった16歳のブレイズ・ブラウンくん。イーストレイクのクラブハウスで、B・ジョーンズのレコードとトロフィを見学(Ph/本人のインスタグラムより)

全米アマチュア史上最年少メダリストとなった16歳のブレイズ・ブラウンくん。イーストレイクのクラブハウスで、B・ジョーンズのレコードとトロフィを見学(Ph/本人のインスタグラムより)

第2ラウンドの最終ホールで2打目を直接カップにねじ込むイーグルを奪い、コースレコードタイの「64」をマーク。しかも全米アマに出場するための予選会でも65-62の好スコアでトップ通過を果たし、本戦にコマを進めていた。マッチプレー初戦で10歳年上の選手を1アップで撃破。しかし2回戦で敗れベスト32にとどまったが、少年の快挙は家族の誇り。母ロンダさんはWNBA(女子バスケットリーグ)のバンダービルトでポイントガードを務めた人物。

1997年の試合でリーグ史上初の3ポイントシュートを決めたことでも知られており、アスリートのDNAがブラウン選手にも脈々と受け継がれている。しかし一家にとってつらい出来事も。52歳の父パークさんが昨年末、有毛細胞白血病と診断されたのだ。「治療しないと余命1年と聞かされ、動揺しました」(ブラウンくん)

1月に化学療法を開始したが、息子の試合の帯同を続けるタフさ。治療すれば治癒率95%とはいえ抗がん剤を投与しながらの応援はきつい。そんな父の姿に「勇気とやる気をもらった」とブラウンくん。「まさか息子がタイガーやニクラスもなれなかった最年少メダリストになるとは」。大会に同行し、標高の高いコロラドの灼熱の太陽を浴びながら、父はしみじみ息子の雄姿に目を細めた。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月12日号より

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