PGAツアー昇格で「アメリカに来たのはこのため」と感激をあらわに…
同ツアーの「アルバートソンズ・ボイシオープン」で、キムは4ラウンドノーボギーの通算28アンダーをマークし、前週のマグニット選手権に続くツアー2連勝を達成。
28アンダーは同ツアー史上4番目のロースコア記録、90年のツアー創設以来4日間ボギーなしで優勝した初の選手となった。
2連勝でポイントランク2位に浮上したキムは来季のPGAツアー昇格を決めると、「アメリカに来たのはこのため」と感激をあらわに。
日本でプレーしていれば安泰だが、「リスク承知でここへ来た。PGAツアーのメンバーになることを目標にしてきた」というキムは、韓国出身のハワイ育ち。
アリゾナ州立大学ゴルフ部で活動した後10年にプロ転向。フル参戦できるツアーを探し世界中でプロテストを受けまくり、15年から日本ツアーに定着した苦労人だ。
リスク承知でコーンフェリー挑戦を決めたが、ほんの3週間前までポイントランクは50位台。残り少ないシーズンでの昇格は難しいかと思われた。
ところが突如覚醒し、2連勝。
昨年のカシオワールドオープンでツアー新記録の32アンダーをマークするなど爆発力には定評はあるが、下部ツアーとはいえレギュラーツアー並み、いやそれ以上とも言われる厳しい競争のなかでの連勝はあっぱれだ。
最終日は12位からスタートしたデイビット・コーカーが12アンダーの猛烈な追い上げを見せたが、落ち着いてプレーしたキムが2打差で逃げ切った。
「長い道のりだった。最終目標は常にPGAツアーでプレーして世界ナンバー1になること。大変なことだと思うけれどすごくワクワクしている」
とキム。
直近ではキャメロン・ヤングやミト・ペレイラがコーンフェリー卒業後、すぐPGAツアーで活躍。
来年は元賞金王が日本ツアーのレベルの高さを証明してくれるはずだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月19日号「バック9」より