多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はタイトリストの「T350」アイアン。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: 【試打クラブスペック(7I)】●ロフト角/29度 ●ライ角/63度 ●価格(税込)/16万5000円(#6~PW、W48・6本セット) ※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック(7I)】●ロフト角/29度 ●ライ角/63度 ●価格(税込)/16万5000円(#6~PW、W48・6本セット) ※すべてメーカー公表値

前作以上にT200に近づいた

23年モデルで3代目となるタイトリスト『Tシリーズ』。そのなかで、安心感と許容性、そして飛距離のアドバンテージがもっともある『T350アイアン』を紹介する。

前作の『T200』がツアーで評価されたことが、『T350』の開発を推し進めたといい、高い許容性と飛距離を持ちながら打感が良くなったという。また、ソール形状は『Tシリーズ』共通で抜けがよくなったことも特徴のひとつだ。

アイアンは7番のヘッドとクラブ(シャフトは『NSプロ 105 T(フレックスS)』仕様)を計測し、数値はすべて実測値になる。

クラブ長さが37.0 インチと標準的だが、クラブ重量は421.4 gとやや重い。クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが271万g・㎠と大きくなり、この数値だと本来はドライバーのヘッドスピードが45m/s くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計といえるだろう。

『T300』の後継モデルでヘッドは全体にオーソドックス形状ながら、長いフェースでやさしさ感があり、フェースプログレッションが3.3ミリとややグースネックで62.7度と非常にアップライトなライ角、そして上から見てストレートなリーディングエッジは球をつかまえたいイメージが出ている。

アベレージゴルファーがやさしさを感じるクラブ

実際に試打したところ、厚いトップラインということもあり、フェース面のやや上側で打っても球が強そうなイメージがあり、よりやさしさ感が出ている。

試打クラブは日本シャフト製の軽量スチールだが、111g程度と表記よりも重いが、適度なしっかり感もあり、ダウンブローにスウィングしても耐えてくれそう。『T100』『T150』『T200』とは違う長いフェース形状に、中空ヘッド構造で、アベレージゴルファーがやさしさを感じるクラブになっている。

画像: バウンス角は7.4度と大きい。またフェース長が長いため、重心距離は41.8ミリと長くなっている

バウンス角は7.4度と大きい。またフェース長が長いため、重心距離は41.8ミリと長くなっている

7番でロフト角29.4度とストロングロフトで、明らかに飛距離を出したいロフトセッティング。また、軟鉄よりも硬いフェース材なので打感は硬めでインパクト音も高いが、球の弾き感はいい。フェースが長いので重心距離は41.8ミリと長くなり、結果ネック軸回りの慣性モーメントも6577g・㎠と大きいので、ダウンスウィングでのヘッドの返りは緩やかだが、アップライトなライ角とグースネックで球のつかまり感を上手く調整している。

バウンス角が7.4度とこの手のヘッドにしてはしっかりあり、ターフを取るようなダウンブローでスウィングしてもソールはきれいに抜けてくれる。大きいヘッドで安心感があって、打感やスピン性能よりもやさしく飛距離を出したいゴルファーにとっていいクラブだろう。

これが「T350」アイアンの試打データだ!

フェースプログレッションが3.3ミリでややグースネック。ストレートなリーディングエッジとややグースネック、非常にアップライトなライ角で、アドレスでは球をつかまえるイメージが出ている。

また、ストロングロフトのアイアンは、総じてバウンス角の少ないモデルが多い。しかし、『T350』は7.4度としっかりついていて、ダウンブローにスウィングしても刺さりづらい。

フェース長が長いため、重心距離が長くなっている。そのためネック軸回りの慣性モーメントも大きくなり、フェースの返りはゆっくりめになる。

画像: これが「T350」アイアンの試打データだ!

重心距離が長く、ネック軸回り慣性モーメントも大きいのでヘッドの返りはゆるやか。アップライトなライ角とグースネックでつかまり感を上手く調整している

※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月19日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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