ツアー解説でおなじみの佐藤信人プロ。今回は、ノルウェー人として初のPGA年間王者に輝いたビクトル・ホブランについて語ってくれた。
画像: イタリア・ローマで行われるライダーカップ。欧州チームの一員として活躍が楽しみなビクトル・ホブラン(Photo/Tadashi Anezaki)

イタリア・ローマで行われるライダーカップ。欧州チームの一員として活躍が楽しみなビクトル・ホブラン(Photo/Tadashi Anezaki)

課題だった「グリーン周りの技術」が成長したビクトル・ホブラン

今季、大飛躍した選手といえば、年間3勝、プレーオフシリーズのBMWと最終戦のツアー選手権を制し、ノルウェー人として初の年間王者に輝いたビクトル・ホブラン。

オクラホマ州立大から19年にプロ入りすると、ルーキーイヤーとなった20年から、優勝も最終戦進出も4年連続です。しかも今シーズンは出場23試合で、3勝を含むトップ10フィニッシュが10回、予選落ちはゼロで、ギリギリで通過した試合もありません。

ホブランといえばショット力には定評がありましたが、課題はグリーン周りのアプローチでした。SNSに自身でアップした動画があります。それは自虐的で「PGAで今、一番ショートゲームが下手な選手」と、ソファの上からロッカーに向けてアプローチするとボールはロッカーを越えてガチャン……と笑いを誘う動画です。

自分の不得手な技術を明かす選手は少ないのですが、笑いにしてしまうのも人柄なのでしょう。
ただ今シーズンは、このグリーン周りの技術が成長。実際、大きくマイナスだったアラウンド・ザ・グリーンのスタッツは、わずかですがプラスに転じました。ショートゲームがよくなれば、マネジメントも変わり、ただ強引に攻めることも少なくなった気がします。

これまでは、セッティングの厳しいコースで苦戦するイメージでした。ところが今年はメモリアルトーナメントで難コースのミュアフィールドで勝つと、プレーオフ2戦目のBMW選手権では最終日に61、しかもバック9 で7バーディの28を叩き出す圧巻の逆転劇。

続くツアー選手権も、4日間を通じてボギーはわずかに2つ。最終日は2位のX・シャウフェレに3打差に詰め寄られながらもノーボギーでしのぎ、上がり3ホールでバーディを奪っての優勝でした。もともとパッティングは上手いですが、アプローチ力もついて、粗さが減った印象です。

マスターズ7位、全米プロ2位など、メジャーはすべて20位以内!

また、マスターズ7位、全米プロ2位など、メジャーはすべて20位以内でフィニッシュ。第5のメジャーと呼ばれるザ・プレーヤーズ選手権の3位も自己最高。厳しいセッティング、競り合う状況でも勝てる選手へと成長しました。

来シーズンは自ずと、皆が認めるメジャー初優勝者候補に。ちなみに最終戦で優勝を争ったシャウフェレも、今季は予選落ちなしでメジャー未勝利。どちらが先に勝つか、今から楽しみです。

今もオクラホマで後輩のオクラホマ大生と住み、カーステンクリークGCで練習するなど自分にとって心地よい環境づくりをしているホブラン。

彼の魅力といえば、人懐こい笑顔と人柄のよさ。ノルウェーの国民性は内向的で恥ずかしがり屋、仲よくなるにも時間がかかる、というものだそうですが、ホブランにはそうしたことは感じられません。選手や記者の人気も高く、ときにヘビメタ好きを「音楽の趣味が悪い」とイジられることも。その人柄はメモリアル優勝の翌日、大学の同級生が受ける全米オープンの予選会で、自らキャディを買って出たことにも表れています。

BMWで優勝を争ったローリー・マキロイと、ホールアウト後に並んで「ローマが楽しみだね」と言ったビクトル・ホブラン。今年のイタリア開催のライダーカップが楽しみです。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月19日号「うの目 たかの目 さとうの目」より

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