キャディバッグには入っているもののかなりの確率で使いこなせていないクラブ、そう3番ウッドだ。そこで今回、3番ウッドをあっという間に打ちこなせるヒントを、いま都内で行列ができるほどの人気コーチとして有名な”金髪先生”こと田中祐姫(たなかゆき)コーチが本気でレッスンしてくれた。
画像: 3番ウッドの打ち方をレッスンする”金髪先生”こと田中祐姫コーチ

3番ウッドの打ち方をレッスンする”金髪先生”こと田中祐姫コーチ

当てようとする意識を少しでも減らすこと

GD 今回、3番ウッドの打ち方について教えてもらいたいのですが、そもそもなんで3番ウッドは難しいんですか。

田中(以下YUKI) 3番ウッドって、地面にあるボールを打つクラブの中でシャフトが一番長くて、ロフトが一番立っているクラブですよね。クラブの構造上、当たれば飛びますが、シャフトが長いからミート率が悪くなり、ボールも上げにくく、つかまえて打つのも難しい。苦手意識を持つ人が多いのは仕方がないことだと思います。だからといって、パワーでねじ伏せるという考えは間違っています。準備と打ち方のコツさえわかれば、どんな人でも必ず使いこなせるようになります。

GD 準備とコツですね。まず準備について教えてもらえますか。

画像: ボールを見ようとすると顔が下がり肩に力みが生まれる。アドレス時にキャップやバイザーのツバの向きで、顔が下がっていないかを確認することもできる

ボールを見ようとすると顔が下がり肩に力みが生まれる。アドレス時にキャップやバイザーのツバの向きで、顔が下がっていないかを確認することもできる

YUKI 一番大事なのは、アドレス時のボールの見方です。凝視するのではなくボールをボヤッと見るようにします。

GD どうやってボヤッと見ればいいですか?

YUKI 上から見るんですがボールを見下すように見るというか(笑)。顔の向きは変えずに目玉だけを下げる感じです。ミスの原因は、ボールに当てようとする意識が強いことです。これをアドレスからまずは解消することが一番のポイントになります。

手打ちを防げれば、ミート率が上がる

画像: おヘソを意識して「ボディでリードすると適度な払い打ちになります」(YUKI)

おヘソを意識して「ボディでリードすると適度な払い打ちになります」(YUKI)

GD 次は打ち方のコツについて教えてもらえますか。

YUKI まず3番ウッドで絶対にやってはダメなのは手打ちです。なぜなら、シャフトが長いので手打ちでごまかせないクラブだからです。手打ちさえ防ぐことができれば、格段にミート率が上がるので上手く打てるようになります。そのためにやることは2つあります。 

1つ目は「おヘソでクラブを引き下ろす」ことです。おヘソを意識することで体幹を使ったスウィングになりやすく、手で振り下ろす感覚が消えやすいからです。このとき、注意してもらいたいのが、スウィング中おヘソが上を向かないようにすることです。上を向いてしまうと、手元が浮いてしまうので、フェースが開いて大スライスの原因になりますし、ダフリも出るので注意してください。

画像: トップから慌てずにタイミング良く振り下ろすことで、フォローまでヘッドを滑らかに走らせられるとミート率が上がる。「ジェットコースターのイメージで振りましょう」(YUKI)

トップから慌てずにタイミング良く振り下ろすことで、フォローまでヘッドを滑らかに走らせられるとミート率が上がる。「ジェットコースターのイメージで振りましょう」(YUKI)

GD 2つ目は?

YUKI 「切り返しはジェットコースター」です。これは具体的な動きというより、トップからの切り返しのイメージになります。3番ウッドを持つと、どうしても飛ばしたいという意識が働いて、トップから急加速で振り下ろすためインパクトでヘッドが抜けずド引っかけが出やすくなります。トップからの切り返しをジェットコースターが頂上から徐々に加速して降りてくるように、振り下ろすことでヘッドがスムーズに抜けて芯でとらえやすくなるので上手く打ちこなせるようになりますよ。

画像: 3WがうまくなるYUKIのおススメドリル。右手親指のツメを見続けてハーフスウィングする

3WがうまくなるYUKIのおススメドリル。右手親指のツメを見続けてハーフスウィングする

GD ほかに手打ちを防ぐ方法はありますか?

YUKI 手打ちの人は、手首を返す動きを入れて、フェースを返して、ドチョロやド引っかけなどのミスが多いので、それを防ぐ、おススメのドリルがあります。右手親指のツメを見続けてハーフスウィングする練習法です。右手親指のツメが見える状態で振るには、右手首を甲とひら側に折るように動かします。これでフェースを返す動きを防ぐことができますよ。

ティーショットの3番ウッドの構え方

画像: あえて飛ばさない準備をするために、まずはティーアップを低くすること。そして2つ目はグリップを指2本分程度短く握ることだ

あえて飛ばさない準備をするために、まずはティーアップを低くすること。そして2つ目はグリップを指2本分程度短く握ることだ

GD ティーショットで3番ウッドを使うときも、準備や打ち方は同じですか。

YUKI ほんの少しだけですが変わってきます。

GD 具体的には?

YUKI その前に、まず3番ウッドでティーショットをするということは、ドライバーでは狭いホールだから使うということですよね。だから曲げずにある程度の距離を稼ぎたい状況だと思います。これを頭に入れたうえで、準備と振り方のコツがあります。

GD 飛ばす状況ではないと理解しておくということですね。

画像: まずはフルグリップの状態でセットアップに入る(写真左)。そこから指2本分短く握り、体がボールへ近づいた分だけ、足元をボール側へ移動することが重要なポイント

まずはフルグリップの状態でセットアップに入る(写真左)。そこから指2本分短く握り、体がボールへ近づいた分だけ、足元をボール側へ移動することが重要なポイント

YUKI その通りです。ですから、まずクラブは短く持ちます。このとき注意することは、短く持ったらそのぶん足場もボールに近寄るということです。短く持つと腕だけ伸ばして構える人がいますが、手打ちの原因になりミスします。右肩だけほんの少し下げて、ヘッドをボールから少し離して構えればOKです。あとは、さきほど説明したように、ヘソのリードでスウィングできれば曲がらず飛ばせます。

画像: ティーアップしているボールにヘッドをくっ付けた状態でスウィングすると、ボール位置を最下点と考えやすくなるため、ティーアップしているボールに対して強引なアッパー軌道で打つような動きが入りやすくなり、ボールが曲がる原因になる

ティーアップしているボールにヘッドをくっ付けた状態でスウィングすると、ボール位置を最下点と考えやすくなるため、ティーアップしているボールに対して強引なアッパー軌道で打つような動きが入りやすくなり、ボールが曲がる原因になる

GD ヘッドを離す理由は?

YUKI ティーアップしているのでヘッドの最下点がボールの手前になるようなイメージで振り抜きたいからです。これだけで勝手に自然な動きで気持ちアッパー軌道になるので、ミート率が上がりミスショットの確率も断然減ります。

声を出すと滑らかに振ることができる

画像: "チャーシューメーン"のように、リズムを整えるとヘッドが加速してミスが減るという

"チャーシューメーン"のように、リズムを整えるとヘッドが加速してミスが減るという

YUKI どうしても3番ウッドが苦手だという方には、裏ワザをお伝えします。"声出し"です。もちろん、ただ出すのではなく3拍子であれば何でもOKで"イチ・ニー・サーン"でもいいですし、年配の方だと"チャー・シュー・メーン"ですかね(笑)。

GD 3拍子の理由は?

YUKI ポイントは切り返しからフォローのときの言葉を伸ばしたいからです。"サーン"とか"メーン"とかね。これをすると、ダウンスウィングからフォローまで徐々に加速する動きになるので、ヘッドが滑らかに動き手打ちが防げるからです。ぜひ3拍子リズムの声出しやってみてください。

THANKS/千葉セントラルゴルフクラブ 

PHOTO/ARAKISHIN

※週刊ゴルフダイジェスト9月19日号「”3番ウッド”こう振ればいいんです!」より

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