オーソドックスなヘッド形状の「T100」アイアン
タイトリストの3代目『Tシリーズ』。そのなかで、もっともツアープレーヤーに使用されている『T100アイアン』を紹介する。
アイアンは7番のヘッドとクラブ(シャフトは『NSプロ モーダス3 ツアー115(フレックスS)』仕様)を計測し、数値はすべて実測値になる。
クラブ長さが36.88インチと微妙に短めで、クラブ重量は429.8gと重く、スウィングウェイトもD2.7 とやや大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが274万g・㎠と大きくなっている。この数値であれば、ドライバーのヘッドスピードが47m/s くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計だろう。
タイトリストのツアーモデルなので、基本小ぶりで超ストレートネックのオーソドックスなヘッド形状。上から見て丸みのあるリーディングエッジとストレートなトップラインにより、米国モデルらしくフェース全体に逃げ感が出ている。
実際に試打したところ、まずツアーモデルらしくフェース長が短い小ぶりなヘッドでソール幅も狭めだが、フェースプログレッション(FP値)が5.3ミリと超ストレートネックの逃げ感のあるフェースでラインに対してスクエアに構えやすく、飛球線をイメージしやすい。試打クラブのシャフトはしっかりしているので、弾道が揃いやすく感じた。
ボールが上がりやすく、球筋を操れる
ツアーモデルらしくリアルロフト角が34.2度と大きな設計なので、いわゆるアベレージモデルに比べて飛距離は出ない。しかし、球は上がりやすく、スピンも入ってピンをデッドに狙うことができる。おそらくPGAツアープレーヤーはこの7番で185ヤードくらいを狙うのだと思う。そして、ヘッド素材は軟鉄よりも硬いSUP-10 だが、フェース面の中央が肉厚になっていて、打音は抑えられ、打感も上級者の好みだろう。
基本的に、小ぶりヘッドで重心距離は35.9ミリと短く、結果ネック軸回りの慣性モーメントも5148g・㎠とやや小さめでヘッドの操作性が良く、インテンショナルにドローやフェードと弾道を操れる。また、米国モデルらしくライ角は62.6度と超アップライトで球はつかまえやすくなっている。小ぶりなヘッドということもあり、夏場のラフからの抜けもいい。ソール幅は狭めだが、バウンス角は7.7度としっかりつけられているので、ダウンブローにスウィングしたときのソールの抜けもいい。
ロフト角が大きいので、ドライバーの飛距離が280Y以上飛ぶようなパワーヒッターが、アイアンの弾道、飛距離をコントロールしながらピンを狙えるアイアンだろう。
これが「T100」アイアンの計測データだ
フェースプログレッションが5.3ミリの超ストレートネック。逃げ感のあるフェースでラインに対してスクエアに構えやすい。リアルロフト角は7番で34.2度と大きいので飛距離は出るほうではないが球は上がりやすい。
また、ツアーモデルらしく、7.7度という大きめのバウンス角なのでダウンブローで打てると気持ちのいいソールの抜け感を味わえる。
小ぶりヘッドで重心距離は35.9ミリと短く、結果としてネック軸回り慣性モーメントが5148g・cm2とやや小さいので、ヘッドの操作性が高く、球を操れる。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月3日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より