スクエアフェースでラインに構えやすい
DAIWAのカーボンテクノロジーを活用したグローブライドの上級者モデル『オノフ ドライバー クロ』を紹介する。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトはメーカー純正『CBT 624D(S)』仕様。掲載数値はすべて実測値になる。
クラブ重量は300.8gと標準的だが、クラブ長さが45.38インチとやや長いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが290万g・㎠とやや大きくなっている。この数値であれば、本来はドライバーのヘッドスピードが44 ~ 45m/s くらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計だろう。
ヘッドは全体にオーソドックスな形状だが、時計の文字盤の1~2時方向に少し張り出し感があり、球をつかまえ過ぎないイメージが出ている。そして、アドレスではフェースアングルが0.0度とまさにスクエアフェースで、ターゲットラインに対してスクエアに構えやすくなっている。また、ヘッドの上面(クラウン部)のフェース側に溝が入っているのも特徴的だ。
振りやすいカウンターバランスでHSが上がる
実際に試打したところ、まずアドレスではスクエアフェースで構えやすく、60.0度とアップライトなライ角で球をつかまえやすいイメージがある。また、他社でよく見かけるようなヘッド後方が非常に低い、強いシャローバック形状ではなく、インパクト付近をレベルにスウィングしやすいイメージもある。
試打クラブのシャフトはやや軟らかめながらも、インパクトの再現性は高く、この純正Sシャフトであれば、ヘッドスピードが40m/s くらいのゴルファーでも十分扱えそうで、昔からよく言われるように「釣り竿を作るメーカーのシャフト」の良いしなりを感じる。
ヘッドのソール面にウェイトビスが3個付いているので、それぞれのウェイトを変えながらの弾道調整、フィッティングがしやすい。そして、リアルロフト設定は10.5度と小さめだが、むしろボール初速は出しやすく、また、インパクト音はやや高めで爽快感がある。
そして、他社にはない市販品の標準仕様でグリップエンドにもウェイトビス7gが付いた、いわゆる「カウンターバランスクラブ」であることが大きな特徴で、手元側の動きが安定してヘッドスピードも少し速くなりやすく、球がつかまったストレート~ややフェード系弾道が打ちやすい。
余談だが、ジャンボ尾崎プロの全盛時代のクラブは「カウンターバランスクラブ」だった。時代を超えて「カウンターバランスクラブ」の良さが再認識され、従来クラブとの違いを感じるためにも、このクラブを試打してみるのもいいだろう。
これが「オノフ ドライバー クロ」の計測データだ
フェースアングルが0.0度と綺麗なスクエアフェースでターゲットラインに合わせやすい。また、60.0度というアップライトなライ角でアドレスでは球がつかまるイメージが出ている。
リアルロフト角は10.5度と小さく、ボール初速が出やすいリアルロフト角設定。またシャローバックではないのでインパクト付近でレベルにスウィングしやすく力強い中弾道が出る。
重心距離は42.2ミリと非常に長く、スイートスポット位置がややトウ寄りのフェードバイアスモデル。また、ネック軸回り慣性モーメントが7675g・㎠と大きく、ヘッドの返りは緩やかだ。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年10月10日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より