今週開幕する「日本オープン」(10月12日〜15日・茨木CC)に出場予定の2013年マスターズチャンピオン、アダム・スコット(オーストラリア)が、開幕前の9日(月)に兵庫県神戸市の六甲国際GCでジュニアイベント「Future Golfers Seminar(フューチャーゴルファーズセミナー)with Adam
Scott』を開催した。
画像: ユニクロのブランドアンバサダー、アダム・スコット。日本のジュニアゴルファーとのゴルフイベントは今回が6回目。開催は兵庫県の六甲国際GC

ユニクロのブランドアンバサダー、アダム・スコット。日本のジュニアゴルファーとのゴルフイベントは今回が6回目。開催は兵庫県の六甲国際GC

2013年よりグローバルブランドアンバサダーを務める衣料品メーカー「ユニクロ」主催のジュニア育成セミナーは今年で6回目。来日する度に欠かさず開催し、ジュニア育成を通じてゴルフ界の発展に還元する姿勢は、端麗な容姿だけでなく、内面も優しい、男も惚れ惚れする選手だ。

このイベントには、関西エリアの中高校生29名のトップジュニアゴルファーが参加。実際にドライビングレンジやバンカー練習場で、デモンストレーションやトークセッションなどを行った。日本だけでなく世界の舞台を見据えたジュニアに向けて技術やプロゴルファーとしての心構えなどを、長年世界の第一線で活躍し続けるアダム・スコットと交流できる大変貴重な機会となった。

練習時のウォームアップと試合のウォームアップは違うとは、アダム本人の言葉。今日はトーナメントでプレーする際のウォームアップを披露した。いつもアライメントスティックを使用して練習開始しているという。「このアライメントスティックがあるおかげで、打つ方向を正すことができます。自分には欠かせない存在です」

「いつもウェッジで、70ヤードほどのショットを打つところから(ウォームアップを)スタートさせます」。そして、スウィングする上で最も重視して心がけているのは“リズム”だという。ジュニアたちへアダム・スコットはこのように説明した。

「僕はアーニー・エルスやフレッド・カプルスのようなリズムがゆったしりたスウィングが好きなんだ。特にインビ―・パークのあのゆったりしたテークバックから繰り出されるショットのリズムをイメージしているんだ」と語ってくれたが、ジュニアたちと世代が違ってイメージできないため、(ジュニアたちは)少しポカーンとした表情だったが、対照的に周りで聞いていた大人たちは、驚きの表情で食い入るように聞いていた。

画像: 親日家だからというわけではないだろうが、アダム・スコットのバッグには日本の鍛造アイアンブランド「MIURA」のアイアンが入る

親日家だからというわけではないだろうが、アダム・スコットのバッグには日本の鍛造アイアンブランド「MIURA」のアイアンが入る

そして、続いてのパートは、アダム・スコットによる直接レッスン。「全国大会の試合よりも、緊張しました」と憧れのスターを目の前にしてレッスン中に手が震えたというジュニアもいるなか、1人ずつ親身になってレッスンを行った。あまりの熱心ぶりに当初のタイムスケジュールから、なんと45分以上もオーバーするほど。「みんな綺麗なストレートボールを打つから、ほとんど教えることがなくて困るよ(笑)。加えて、若い選手の柔軟な身体のスウィングを見ることは、私にとってもいい刺激になったよ」とジュニアとの交流を楽しんでいた。

本人の練習時と同様に、ジュニアへボール位置とアドレスの向きの細かな確認、そしてアライメントを意識した練習法を伝えるシーンが多く見られた。

最後に行われたトークセッションでは、ジュニアからの質疑応答に答えながら、「みんなそれぞれ個性があって素敵なスウィングをしている。期待を高く持ちすぎて無理をすることなんてない。だってパーフェクトな人間なんていないんだから。まずは自分のできることからやってみて、自分にとって心地よいリズムを探すことが大切です」。アマチュアは、どうしてもスウィングのメカニックばかりに着目しがちであるが、最も基本的な事にヒントは隠れていると、彼は教えてくれた。

ユニクロのウェアについての印象を聞くと、「ユニクロはまだまだ世界的に見ると新しいという印象だが、日本では長年親みのあるブランドで、日々の生活に欠かせない『頼りたくなるブランド』。自分のパフォーマンスを常に引き上げてくれているよ」

今週の日本オープン、そして19日からのPGAツアー唯一の日本開催ZOZOチャンピオンシップへの意気込みを聞くと、「新しいコースを回るのいつも楽しみです。調子はいいと思うので、2試合ともできる準備をしてベストを尽くす。特に日本オープンは7回目の挑戦だし、縁を感じているので、そろそろ勝ちたいね。私も43歳。タイムリミットも近づいているからね」と笑みを見せてくれた。

(TEXT/Kazuma Yamakawa、PHOTO/Tadashi Anezaki)

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