「プロV1」に代表されるツアーボールは飛距離、スピン性能、打感のトータルパフォーマンスに優れるが、1球で約600円、1ダース7000円以上と値段が高く、おいそれとはロストできない。そのほうが緊張感を持ってプレーするから上達する、という人もいるが、もう少しお財布にやさしく、コストパフォーマンスに優れたボールを使いたい。そこで店頭価格で1ダース4000円以下のボールを買い集めて打ち比べ、プロV1と比較した。

弾道計測器には、SkyTrakを使用。合田プロがドライバーでのヘッドスピード42㎧相当の力感でテスト。
①1Wでの飛距離テスト、
②7Iでテスト、
③58°ウェッジで50Yのアプローチ、
④パットテスト、
以上4つのテストを行った。各ボール5球打って、ベストとワーストを除く3球の平均値をデータとした。

HSを42m/s前後にして、1Wの飛距離テスト

画像: 16モデルのほとんどが「プロV1」より飛んだ!

16モデルのほとんどが「プロV1」より飛んだ!

安いボールは飛ばないと思っていたら大間違い。飛距離性能だけならツアーボールをはるかにしのぐボールばかり。総飛距離のトップ5は以下の通りだ。

※データは左から、総飛距離(Y)/キャリー(Y)/初速(㎧)/打ち出し角(度)/高さ(Y)/バックスピン(rpm)

タイトリスト/プロV1(251.1Y/234.4Y/61.4㎧/13.4度/26.2Y/2106rpm)

飛距離トップ5
①BS/スーパーストレート(264.8Y/249.1Y/61.7㎧/16.3度/30.7Y/ 2132rpm)

②BS/ニューイングスーパーマイルド3(264.0Y/248.8Y/61.8㎧/17.0度/30.2Y/2014rpm)

③BS/エクストラソフト(263.5Y/247.9Y/61.9㎧/16.3度/28.9Y/2024rpm)

④スリクソン/ADスピード2 (263.0Y/247.6Y/61.7㎧/16.6度/29.4Y/2023rpm)

⑤スリクソン/ディスタンス(262.5Y/245.0Y/61.0㎧/14.8度/23.3Y/2132rpm)

「正直、ヘッドスピード42㎧であれば、プロV1はもっといい勝負をすると思っていたのですが、違いましたね。飛ばしに必要な3要素 は、高打ち出し・高初速・低スピンですが、今回のボールの9割はその要素が揃っています。とにかく飛ばしたいという人ならこの価格帯のボールで十分です」(合田)

7Iで弾道テスト。高さは? スピン量は? ランは?

画像: 「スピンよりも高さで止めるボールが多い」(合田)

「スピンよりも高さで止めるボールが多い」(合田)

「ボールに求められるのは飛距離だけでなく、狙ったところに止まること。それには球の高さとスピン量が必要です」と合田プロ。7Iで打った時の弾道高さ(最高到達点)トップ5はこれだ。

※データは左から、高さ(Y)/総飛距離(Y)/ラン(Y)/初速(㎧)/打ち出し角(度)/バックスピン(rpm)

タイトリスト/プロV1(21.1Y/160.2Y/3.7Y/47.8㎧/28.2度/6651rpm)

アイアンの弾道高さトップ5
①BS/スーパーストレート(20.3Y/168.6Y/9.4Y/47.7㎧/29.5度/4478rpm)

②スリクソン/トライスター4(20.2Y/164.3Y/6.6Y/48.6㎧/29.3度/5901rpm)

③TM/ソフトレスポンス(20.2Y/175.2Y/10Y/48.6㎧/28.0度/4022rpm)

④スリクソン/ADスピード2(19.8Y/162.2Y/8.3Y/47.6㎧/29.3度/5790rpm)

⑤BS/ニューイング スーパーマイルド3(19.6Y/171.0Y/10.3Y/47.8㎧/27.6度/3959rpm)

「プロV1は、高さはもちろん、スピン量も圧倒的に入ってグリーンでしっかり止まります。この性能はさすがツアー使用率ナンバーワンのボールですね」

「テストした16モデル中、弾道高さがトップだったスーパーストレート(BS)を筆頭に、スピンよりも高さで止めるボールがほとんどでした。結果、弾道高さの上位ボールは、ランが10ヤードほどなのでグリーンからこぼれることはそんなにないと思いますが、正直、もう少しスピンが欲しいですね」(合田)。やはり、プロV1のハードルは高かった。

50Yのアプローチスピン対決

次にショートゲームを想定した50ヤードでのスピン量を比較。プロV1がダントツだったが、スピン性能の高いディスタンス系ボールがあることも判明。

※数字データは左から、バックスピン(rpm)高さ(Y)

タイトリスト/プロV1(8134rpm/11.5Y)

アプローチスピン量トップ5
①本間ゴルフ/D1スピン(7657rpm/8.6Y)

②スリクソン/トライスター4(7543rpm/9.3Y)

③キャロウェイ/ウォーバード(7455rpm/7.9Y)

④TM/ソフトレスポンス(7366rpm/8.7Y)

⑤BS/エクストラソフト(7192rpm/8.7Y)

「スピンで重要なのは量の多少もそうですが、スピン量にばらつきがないこと。プロV1をはじめとしたツアーボールはこのばらつきがほとんどない。逆に今回のディスタンス系はこの部分でかなり劣っていると思います。ただしD1スピンとトライスター4のスピン性能は高く、ほんとに4000円しないのって思うほど。ツアーボールに手が出せないならぜひお試しを」(合田)

打感の統一感は?

「どのクラブで打っても打感が一定でないと違和感が生まれます」と言う合田プロは、実際に試打してみて「1W、7I、ウェッジ、パターと異なるクラブで打っても、プロV1は打感に違いがないですが、ほとんどのディスタンス系ボールはウェッジやパターが柔らかいのにショット時は硬く感じました」と話す。そのなかでも打感のばらつきが少ないと合田プロが指摘するのは以下の4モデルだ。

タイトリスト/プロV1/ 超軟

打感にばらつきが少ないと感じたトップ4
①タイトリスト/ツアーソフト/やや硬で統一

②タイトリスト/ベロシティ/やや硬で統一

③タイトリスト/トゥルーフィール/超軟で統一

④スリクソン/トライスター4 /軟で統一

ボールの硬さは「打感で距離感を出すパッティング時の感覚で、ボールを選んだほうがいい」との理由から、パターでの打感を記載し、それに近い打感で統一感があるモノを選出。

打感の違いに関しては「もちろん慣れてしまえば気にならなくなるかもしれませんが、使い始めは注意が必要です」(合田)

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